パーフェクト・センスのMatildaのネタバレレビュー・内容・結末

嗅覚から始まり、次々に五感をなくしていく人間たちの模様をリアルに描いた映画。
もっとSF感ある感染症系の映画かと思いきや、ヒューマンドラマのようなしんみりとしたものだった。
五感を失うという前代未聞の混乱の中で、人々は自分の大事なものに気づき始め、そしていつか死ぬことに絶望するのではなく、生きる希望を持って、今を大切にすること、そして未来のために今を生きることを考えるようになる。
エヴァグリーンの、都会で仕事に成功しつつもプライベートではうまくいかないといった感じの役柄が好きだった。何もかも完璧な人間が主人公だとこの物語には入り込めないから。そしてユアンマクレガーとの相性もとてもよかった。不完全なもの同士がカップルになるという流れが個人的に好きっていうのもあるとは思うけれど（笑）
世の中はいろんなことがありすぎて、いろんなものがありすぎて、きっと人間たちは大事なものが見えていない。この映画は大事なものは失ってから気づくのでは遅いのだ、ということを伝えたかったんじゃないかな。