Leaf

ロスト・イン・トランスレーションのLeafのレビュー・感想・評価

3.9
ソフィア・コッポラ監督作。
本当に毎度情緒を感じさせてくれる作品作り。

結婚歴25年の男性と2年の女性、年齢も経歴も違うけれど、どことなく似ている"居場所のなさ"を携えた2人が東京で出会う。
本当にこのひと時だけの関係というか、2人の距離感が絶妙。
不意に笑うところとか、会う回数増えていくことで自然とたわいない話始めるところとか、なんだこれは。
これを成り立たせた演技が良かったのは言うまでもありません。
スカーレット・ヨハンソンはまぁずっと綺麗だし、個人的にはビル・マーレイの表情がクスッと笑わせてくれるところも含めてかなり好きです。背もたけぇ。

正直これといって何があるわけではないのに、なんか印象に残るシーンが多い。
こういうの最近好きなことに気づきました。
・タクシーから外覗くシーン
・ホテルで日本酒飲むシーン
・足先だけに手置くシーン
・カラオケボックスでお互い見ているシーン
など、観た人で好きな部分の話するの絶対楽しい。

東京(日本)についても切り取り方が面白かったです。
食事とか、英語通じないとか、外国人から見たらあるあると思われる部分を描くことはもちろん、ロケ地なぜここなんだと思った場所もチラホラ。
いや、逆に本当に日本好きじゃないとこんなところ映そうと思わないのでは?
かつて自分も訪れていたことがあるような場所にハリウッドスターが写っている映像は不思議な感じがするとともに15年以上前の光景ということもあって懐かしさを感じました。
スカーレット・ヨハンソンが寺社仏閣に立ってるだけに絵になる。気のせいなのわかってますけど、旅行会社のポスターにあったような気がしてならない。そうだ、京都に行こう的な。

この独特さを有する日本が舞台であることは大きく、外から来た2人は明らかに浮いたように見え、ちょっとした感情や表情の変化が強調されて見えるよう。
一方で自分が生まれ育った国であることも相まって、全体通して感じたことではありますが、ラストシーンで自然と"エモい"と思ってしまいました。
これまでなんとなくで使ってましたが、今後はこの作品が一つの基準になりそうなレベル。
単に懐かしいってだけではない気はしています。

追記
やっぱどこか欠けて寂しい感じを演出する天才だと思う。
あと、ほんまビル・マーレイ最高。
きっと撮りたかっただけシーンもいいよ。
Leaf

Leaf