Leaf

リトル・エッラのLeafのレビュー・感想・評価

リトル・エッラ(2022年製作の映画)
4.1
ロスバンドのクリスティアン・ロー監督新作。
もちろんロスバンドはめちゃくちゃ好きなんだけど、今作も良かった。優しい世界。

人と仲良くするのが苦手な子の唯一の親友、そこに恋人がやってくる。仲間はずれにされたような感覚とやきもち。彼女に取っての邪魔者を追い払うための意地悪が始まる...

正直前作でも思ったことではあるけど、一見荒削りに見えて、考えてみれば表現したかったことをやるためにごっそりその他削ってる構成なのが潔くて良い。それ自体がすごく深いものではないし、考えさせられるわけでもない単純なものだけど、とにかく純粋。ストーリーのピュアな感じも相まっている。
監督の視点の温かさ、どこにこの作品を届けたいのか的な部分が伝わってくるよう。

大多数の大人から見たらどう考えてもやりすぎだし、少なくても自分の家庭環境ならめちゃくちゃ怒られていたであろう行動の数々に対してああしろ、こうしろが少ない。この方法に賛否はあれど、結局自分ごととしてなんでやらない方がいいのか考えてることは重要だし納得感がだんち。
世の中nice to haveは多いけど、mustって意外と少ないよねと思う今日この頃。

あと、作品上の役割における性別の関係なさの表現がかなりレベル高いとおもう。わざとらしさが本当に少ない。これまでにもサラッと描いていてこういう描き方が好きだなと思う作品はあったけど、ここまでメインに据えてこの感覚になる作品は少ない気がする。多分全編通した懐の深さがこれに一役買っている。

今回は舞台挨拶付きの上映なのもあって、監督のお話を聞ける機会もあって良かった。
最初に書いたように、結構ざっくり削る割には、ただただ要素として彼自身が好きなんだろうなって思うユーモアを入れ込むんでくるのも良いです。
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