一人旅

フェリーニのアマルコルドの一人旅のレビュー・感想・評価

フェリーニのアマルコルド(1974年製作の映画)
4.0
第47回アカデミー賞外国語映画賞。
フェデリコ・フェリーニ監督作。

イタリアの港町を舞台に、少年チッタが送る一年間を描いたドラマ。
チッタが体験する初めての性の目覚め、家族の騒動、時代の荒波、そして別れを移り変わっていく季節の風景に乗せて映し出している。
“生きる”の本当の意味を体現したようにエネルギッシュに日々を営む人々の姿が印象的で、その場その時を素直に楽しみ、悲しみ、全てを受け入れていく様子に生きるヒントが隠されているのだ。
春夏秋冬の繰り返しは変わらない。季節ごとの変化はあるものの、俯瞰的に見ると変わることのない一定のリズムを持つ風景の中で、人々は停滞することなく一日一日を積み重ね、様々な変化を経験していく。この世に生を受け、しかしやがては死んでいく人間の儚さと美しさに溢れる作品だった。
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