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突然炎のごとくのryoのレビュー・感想・評価

突然炎のごとく(1961年製作の映画)
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古い喜劇、サイレント映画風に軽やかなテンポと音楽で味付けしてあるが(ストップモーションなど、映像の遊びがとても多い、この軽さは当時かなり新鮮だったんじゃないか)、おそらく最もフランス(文学)らしい感情、自由、退廃を表現した映画の一つ。表面より遥かに複雑な、苦がい作品。

セーヌ川に飛び込むジャンヌ・モロー(北欧の芝居、ボードレール)。髭を描いて走るカトリーヌ。背中を掻く。待ち合わせに来ないカトリーヌ。娘を入れた四人で遊ぶシーン。車を乗り回すカトリーヌ。喋りすぎる女と全く喋らない女。ジュールがフランス人でないこと。「肩の荷が下りた」。アンリ=ピエール・ロシェの原作。ゲーテ『親和力』のあからさまな引用。ピカソ。母への赦し。字幕山田宏一。

Jule et Jim。カトリーヌ、女というもの。文学を介した友情と三角関係。恋愛と結婚。衝動と持続。戦争。偶然と意志。唐突な死。
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