「東海道四谷怪談」を監督した中川信夫さんの作品です。
登場人物は以前観た「盲獣」のように三人だけです。ですからひとりひとりの心理描写がよく表現されていました。
小平次は太九郎の妻であるおちかを死んでも死に切れず心の底から好きでした。恐ろしいほどの執念です。
太九郎は小平次を殺めてから心のどこかに申し訳ない気持ちがあったのでしょう。男の弱さを感じました。
おちかは色気、愛嬌、気っ風があり何よりも優しさを感じます。太九郎を心から愛していました。粋な小唄が心地良かったですね。
オープニングの題字は天知茂さん。達筆ですね。