brianさんの映画レビュー・感想・評価

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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.4

オールナイト上映会でみなみ会館をサヨナラするつもりだったが、また来ちゃった。

ヘビースモーカーの私立探偵が執拗に事件を追っていくクライムサスペンス。

ポスターがいい意味で騙された。
全編に渡って主
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.5

午前5時前の上映で眠い目をこすりながらの鑑賞となった。夜明けは近い。

厳しくて重いテーマを掲げながらもカウリスマキ監督のキャメラから覗いた優しい目線を感じる。

出演者は相変わらずの硬い表情で棒読み
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汚れた血(1986年製作の映画)

4.5

2回目の鑑賞。

エッジの効いた演出とネオ・ノワール的な雰囲気にエキサイトする。
ドニ・ラヴァンのエネルギッシュな躍動感と最期の姿に見入った。
セルジュ・レジアニとデヴィッド・ボウイの曲が静から動へと
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宵待草(1974年製作の映画)

4.0

スクリーンで鑑賞するのを楽しみにしていた作品。
ロマンポルノの名匠であるくまさんには珍しい大正時代を舞台にしたミュージカルコメディ。
だから、裸も性描写も控えめ。若者たちの社会に対する怒りや不満、挫折
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次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊(1954年製作の映画)

4.0

人間味溢れる森の石松を主人公にテンポよく描いた痛快時代劇。 

冒頭から浪曲師・広沢虎造が独特の節としわがれ声で作品を引き締めている。
森繁久彌は気風のいい台詞回しと軽い身のこなしが颯爽としていて気持
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.9

ストップモーション・アニメと言えば、ピーター・ゲイブリエル「Sledgehammer」のPVを思い出す。

静止している物体を少しずつ動かしてカメラで撮影する技術は、コンピュータグラフィックスとは全く
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(2021年製作の映画)

3.5

「オオカミの家」上映前のショートフィルム。
現代の今、敢えて1901年の乱れた映像と音楽を描いた作品。デジタル世代の若い人がたくさん来ていたけど静まり返って鑑賞していた。たまにはこういう不思議な映画も
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十階のモスキート(1983年製作の映画)

3.9

ダメ男の姿を克明に描いたロックンロールな作品。

警察官もひとりの人間なのである。
離婚もすれば慰謝料や養育費でお金が必要。サラ金に手を出すはギャンブルにのめり込むはで金銭感覚が麻痺する。挙げ句の果て
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ひなぎく(1966年製作の映画)

4.5

ふたりのマリエが自由気ままに楽しく過ごすガールズムービー👭

とにかくよく料理を食べてよく酒を飲む🥘🍷
色気よりも食い気と言ったところか。
上映開始時間が午後6時過ぎなので、空きっ腹で鑑賞するとお腹ぐ
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ミラクル・ニール!(2015年製作の映画)

3.9

何をやっても冴えない学校の先生(サイモン・ペッグ)が右手を振れば"ほとんど何でも"(Absolutely Anything)叶えられる力を発見してから騒動を巻き起こすSFコメディ🚀

まだ夏の疲れが残
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.0

2019年、ロサンゼルスを舞台に謀反を起こした人造人間(レプリカント)を追う特捜刑事(ブレードランナー)の姿を描いた近未来SF映画。

暑い時には史実に基づいた真面目な映画を考えて鑑賞する気力が恥ずか
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フットルース(1984年製作の映画)

4.0

MTVが全盛期の頃の作品でケニー・ロギンスの「フットルース」がよくテレビやラジオで流れていた。いかにも80年代のアメリカンポップスを象徴した曲。軽快でノリがいい。ダンスシーンにはピッタリハマる。

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君が若者なら(1970年製作の映画)

4.0

若者たちの夢と挫折と希望を鋭く描いた青春群像劇。

ダンプカーが疾走する場面は若者たちの熱い想いを感じさせる。だが、現実の厳しさに悩み苦しむ。それでも、前を向いて歩く姿に希望の光が見えたような気がした
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愛の渇き(1967年製作の映画)

4.0

美しき未亡人が本当の愛に近づいていく姿を描いた女性ドラマ。

息詰まる展開に最後まで画面に釘付けとなった。
チェンバロを中心としたクラシカルで重厚な音楽が流れる中を俯瞰ショット、ズームアップ、ロングシ
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怪談蛇女(1968年製作の映画)

3.8

現代では格差社会が社会問題のひとつとしてニュースに取り上げられていることは皆さんご承知の通り。

この作品は貧富の差が歴然としていた明治時代。欲望、嫉妬、偏見、誤解など人間を粗末に扱う場面が執拗に描か
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亡霊怪猫屋敷(1958年製作の映画)

3.7

短気で身勝手極まりないひとりの人間が犯した罪によって命を落とす人が痛ましい。今も昔も変わらない人間の醜い心を中川信夫が鋭く描く。

現代篇をモノクロ、時代篇をカラー映像にした作品。モノクロでは青色の着
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憲兵と幽霊(1958年製作の映画)

3.8

戦時中の憲兵隊を舞台にして内幕を暴く軍事サスペンスもの。

前半から中盤にかけて人間の凡ゆる欲望が描かれている。嫉妬、陰謀、謀殺、愛憎、そして復讐が入り乱れていた。拷問シーンも容赦ない。
戦争によって
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怪談かさねが渕(1957年製作の映画)

3.7

暑気払いに怪談映画を鑑賞してみた。

金銭にまつわる男の欲望に翻弄されて無念の死を遂げる人たちの怨念が描かれている。
怨みを果たして本当に成仏はできたのだろうか。哀しみと憎しみが余韻として残っている終
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コンサート・フォー・ジョージ(2022年製作の映画)

3.7

ジョージ・ハリスン追悼コンサートの模様を映像化した作品を鑑賞。

もう亡くなって20年以上も経つのか。早いねえ…。

クラプトンが音頭をとって開催されたこともあるけれど、生前ジョージと交友を深めたミュ
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羊たちの沈黙(1990年製作の映画)

-

BSテレビ東京で鑑賞。
予想通り、CMの垂れ流しにうんざりした。映画館で上映中に携帯を鳴らすがごとく。その度に現実へ戻されてしまう。
せめて、大事な場面だけはきっちり放送してほしかった。
名優、アンソ
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やくざ観音・情女仁義(1973年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

【クソガキが見てはいけない映画・その2】


僧侶からやくざへと変貌していく様を描いた神代的任侠映画。 

ふかきんのような容赦ない暴力描写は控えめで"ロマンポルノの名匠"くまさんらしい欲望に塗れた性
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はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.3

シンガーソングライターと音楽プロデューサーが運命的に出逢うヒューマンドラマ。

星の数ほどあるミュージシャンの中には成功を収めて富と栄誉を得る者もいれば、挫折を味わいその道から外れる者もいるとても厳し
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陸軍中野学校(1966年製作の映画)

3.8

戦前から戦中にかけて実在したスパイを養成する機関、陸軍中野学校での出来事を中心に戦争の狂気と悲劇を描いたサスペンス映画。

この作品を面白いと感じる人がいるけれど、僕はそう感じなかった。最近、戦争関連
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NY ANNIVERSARY LIVE! サイモン&ガーファンクル「セントラルパーク・コンサート」(2014年製作の映画)

4.0

1981年9月19日、アメリカ・ニューヨークはセントラル・パークで行われたサイモン&ガーファンクルの再結成チャリティコンサート。
NHKBSで放送された番組を録画していたので鑑賞する。

夕方から夜間
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阪急電車 片道15分の奇跡(2011年製作の映画)

4.0

阪急電車今津線を舞台にした人間ドラマ🚞

以前、手塚治虫記念館で開催された忌野清志郎展を見るため宝塚南口駅に降りたことがある。そのあと、宝塚駅まで歩いている途中に宝塚大劇場を発見した。

阪急電車の車
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ジギー・スターダスト 2002年サウンドリミックス・デジタルレストア版(1973年製作の映画)

4.5

50年前の7月(!)イギリス・ロンドンのハマースミス・オデオンで行ったコンサートの模様を収録したドキュメンタリー映画を鑑賞。

開演前のボウイ。緊張している表情をうかがうことができる。派手な化粧と衣装
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丑三つの村(1983年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【戦争と狂気】

継やん(古尾谷雅人)の行いは常軌を逸している。正に鬼である。
しかし、戦争も村の風習も人間の心もすべて常軌を逸している。
無意味な徴兵制、性の氾濫。狂気の沙汰と言ってもいいだろう。
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ローリング・サンダー(1977年製作の映画)

4.1

また、ここにベトナム戦争による悲しき代償が描かれている。

帰還兵のレーン少佐(ウィリアム・ディヴェイン)が左胸に付けているメダルはいったい何の価値があるのだろうか。単なる御飾りにしか見えない。
戦争
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グッドモーニング、ベトナム(1987年製作の映画)

4.0

「地獄の黙示録」は兵士から見た戦争を直接的に描いていたが、この作品ではディスクジョッキーを通して間接的に戦争を描いた異色の人間ドラマ。

一生懸命おしゃべりして兵士たちを癒し楽しませても現地の人々と友
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ジョージー・ガール(1966年製作の映画)

3.6

ジョージーとはジョージのように男の子っぽい女性のことを意味する。
ストーリーはコミカルに展開していくが、ジョージーの友人である女性が産んだ子供を養子に出すわ発言で一気にシリアスな方向へと進む。果たして
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地獄の黙示録 ファイナル・カット(2019年製作の映画)

4.2

This is the end
Beautiful friend
This is the end
My only friend, the end


【狂気と悲劇】

戦争映画特有の血生臭いシーンの連
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メジャーリーグ2(1994年製作の映画)

4.0

優勝すればチームは盛り上がり、新しいファン(にわか)も増えてくる。
しかし、負けが込むとチームの士気が下がり、古いファン(アンチ)からは辛辣なヤジが飛んでくる。
今だったらネットによる選手への誹謗中傷
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曽根崎心中(1978年製作の映画)

4.1

恋仲だった遊女「お初」と商人「徳兵衛」が心中するまでを描いた悲劇。

この映画を鑑賞して、つくづく思う。良きにつけ悪しきにつけ、人間には様々な模様がある、つまり個性があるということなのだ。
美しい模様
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だからここに来た -全日本フォーク・ジャンボリーの記録(2010年製作の映画)

4.0

1970年8月8日、岐阜県恵那郡坂下町(今の中津川市)で開催された、第2回フォーク・ジャンボリーの様子を収めた記録映画を鑑賞。
前年にアメリカでウッドストックフェスティバルが行われたことがきっかけで日
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ゴダールのマリア(1984年製作の映画)

4.1


【マリアの本】
離婚間際の夫婦とその娘を描いたショートフィルム。
大人の言い分を耳にする娘が可哀想。
何度も聞かされて慣れているのか泣きべそひとつかかない。「エリーゼのために」を鼻歌で堂々と歌う。
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現代任侠史(1973年製作の映画)

4.0

元ヤクザの男が悪の組織にひとりで立ち向かう任侠映画。

といっても深作欣二のような過激な演出は少なめで、登場する人物の描写を丁寧に映し出し群像劇のような展開ではじまった。東映としては珍しい橋本忍が脚本
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