ふたりの男の友情の物語であり、
妻に、
母親に、
息子とその家族に、
社会に、
“(見)捨てられた”ひとびとの再生の物語でもある。
捨てる神あれば拾う神あり。
拾う者と拾われた者とが共に暮らし、まるで“家族”のようになっていく。
家族は縛られるから嫌だ、と言っていた彼はそこを去り、ひとり歩むは新しい道(と思いきや、また、、?)。
「色」が印象的な映画だった。
男二人が世界中に「おはよう」と告げる(それもとても楽しそうに!大好きなシーンのひとつ)明け方の空も、少女が嬉しそうに見上げていた凧の浮かぶ空も、どちらの空の色も、とびきり美しくて心は踊り、頬が緩んだ。
なみなみ注がれた水の入った透明なグラスに、
おばあちゃんの着ていた真っ赤なドレスと靴、
海辺を走るエメラルドグリーンの車、
白い花束、
空に踊るピンクの凧、
浜辺に置かれた色とりどりの椅子、
たくさんの鮮やかな色たちが、あたしを幸せな気持ちにさせてくれたんだ。