ガスパール/君と過ごした季節(とき)の作品情報・感想・評価

「ガスパール/君と過ごした季節(とき)」に投稿された感想・評価

うぅ、なんて可愛くて優しい映画…
海辺の廃屋(レストランに改装中)で暮らす二人のおっさんーー心優しく困っている人を放っとけないロバンソンと、面倒なツンデレながらも根は優しいガスパール。この二人のやりとりが、可笑しくて温かくてじわじわくる。

そして彼らが磁石のように引き寄せる、家族に捨てられた老女や貧しい母娘など、世間からのはぐれ者たち。年齢も性別も出自も全く違う彼らが、「家族」みたいになっていく。
それぞれのバックグラウンドなんて関係なくて、相手がちょっと弱ってる時にさりげなく「元気?」って声かける、その飾らない心と心の繋がりがあれば、うん、案外生きていけるのかもしれないね。

おはよう○○!のシーンが好き。
そしてラストのワンコ〜!動物に好かれる人に、悪い人はいない(笑)
ミシェル・ルグランの音楽◎

ちなみにこれ原題は「ガスパールとロバンソン」ですよね。今の邦題だと、ガスパールだけが主役みたいだし、おぢさんの友情ものなのに、君と過ごした云々って青春ものみたいな邦題はどうなの。
外は雨

外は雨の感想・評価

4.2
大好きトニー・ガトリフ。世の中からはじき出されてしまった人たち。それは部屋の中に詰め込まれている沢山の椅子でさえも。ガスパールの優しさがきっとそんな人を引きつけて、そして引きつけたものが幸福になると優しさからの別れがやってくる。そして一人になったガスパールだけどやっぱり彼の元にはさみしいものが寄り添う。

捨てられていた椅子たちもカラフルに生まれ変わる。
クスっときて、ちょっぴり切なくて、愛おしい映画。

家族を失った者たちが寄り集まり、新しい家族を形作っていくお話。

ワンカットごとの背景や構図がとても絵になるし、小道具のパステル調の色使いも好き。

不器用なガスパール、お人好しのロバンソン、チャーミングなおばあちゃんといった個性的な役柄が、ストーリーの中で生き生きしている。
とくに、おばあちゃんの演技には、涙が出そうになります。

悲しみを背負い社会からこぼれ落ちながらも、小粋に自由に生きていく姿に、人生の醍醐味を見たような気がする。
トニー・ガトリフを見直してみようと思って、日本で簡単に見られる作品の中で一番古いこれから掘り返してみたけど、後の情熱的な雰囲気は薄いとはいえ叙情的な映像が多くて中々良かった。

主人公は海辺で食堂を経営しようとしている男らなんだけど、椅子とかを用意する過程がまずベティブルーからエロとドロドロ要素を抜かしたようで良かった。

プロヴァンスの土地も気候を活かした映像も味わい深く、特に夕方から夜にかけてのものが印象深く残った。

ストーリー性が薄く擬似家族の暮らしぶりを中心に描いていたのにも好感が持てて、色々諍いつつも愉快に暮らす彼らの姿にはほっこりしたが、万引き家族といい自分はどうやら擬似家族系の作品に中々弱い人間なのかもしれない。

ウンベルトD的なラストも良い味を出していて、寂しくも情感のある締めとなっていて最後まで良い作品だった。

それにしても若い頃のヴァンサン・ランドンってなんか新鮮。
ak205

ak205の感想・評価

4.6
大好き。
嫌な奴は一人も出てこない。
すごく久しぶりに観たのに、昔と同じように面白いと思えたのが嬉しかった。
sonozy

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4.0
原題:GASPARD ET ROBINSON(ガスパールとロバンソン)

海辺に“姥捨て”されてしまったおばあちゃん。
そのおばあちゃんと暮らすことになる失業中の2人の男ロバンソンとガスパール。
幼い娘エヴァを連れた未亡人ローズ。

"喪失"を抱えた人たちが助け合い、明るく生きていく、ほっこりストーリー。

ロバンソンは12歳で母がいなくなり宿無しになってしまった過去から、哀れな人を見たら放っておけない。
ガスパールは失業で妻に捨てられた悲しみを抱えながらも、もう余計な人間関係は排除したい。
当初は、おばあちゃんの受け入れについてモメる二人だが、ロバンソンの哀願で3人の共同生活が始まる。

二人は昼はボロ椅子を回収したり、夜は親方の家に忍び込んで無邪気に爆笑しながら食事しちゃったりしつつ、金がないながら、住んでいる海辺の廃屋を改造して軽食堂を開こうとしている。

美しいローズと可愛い娘エヴァも加わり、廃屋やボロ椅子・テーブルをペンキでカラフルに塗って、軽食堂の開店準備も進む中、ガスパールは・・・
哀愁あふれるラストシーン。

可愛らしいおばあちゃん、優しさ溢れるロバンソン、色々文句を言いながら実は一番優しく皆の幸せを考えていたガスパール。
南仏の陽光の中の、心温まるいいお話でした。
NOOO000ooo

NOOO000oooの感想・評価

4.0
評価が高いのとおじさんにはいささか恥ずかしい位可愛らしいジャケに惹かれ鑑賞。
なるほど!ジャケ通りの淡いパステル風味の映像美は、流れる空気の細胞一つ一つが目にも心にもやさしくて(私事ですが)地方の閉塞感を描写した俗っぽいチンピラ映画を見た後の、素朴だけどセンスと愛に溢れた虹色のシャボン玉のようなおフランス映画はとにかく腐った目と心を浄化してくれるものでした。

淡い空色とかわゆい雲、南仏プロヴァンス色のお上品な誰もいない海、ベージュの砂、トラックの黄緑、アップルのグラフィックのような紫からオレンジのグラデーションの夕日、そこを歩く擬似家族の絵面、焚き火、凧揚げのピンク、衣装の薄紫、おばあちゃんの赤いドレスと赤い靴、汚いけど絵になるベージュのコートと枯れたススキ。。。
内容云々よりも、とにかくおフランスのセンスにうっとりあっぱれの愛のある作品でした。
totoruru

totoruruの感想・評価

4.7
愛と優しさの物語。


お婆ちゃんが家族に捨てられるオープニング…。
オープニングが思いの外切なくてビビリました。

そして、ロバンソンとお婆ちゃんの出会い。
笑顔で見つめ合う二人を見てるだけで、なんだか涙がこぼれそうになってくる。


物語は淡々と進み、特に大きな事件は起こりません。

ですが孤独な人が集まり、当たり前のように自然に人に優しくする…。

その姿を観ているだけで十分です。


派手さはなくとも心に残るシーンはたくさんあります。

先に述べたロバンソンとお婆ちゃんの出会いのシーン。

朝日とともに挨拶をするガスパールとロバンソン。

海辺でのダンスシーン。

砂浜に並べられたカラフルな椅子たち。

深夜の秘密の食事会。

「元気?」と声をかける互いを想う気持ち。

あと、あれもこれも…


そして、ラストシーンのガスパールはもう…。

優しさと愛情と温かさと切なさと…
色々と入り混じり何とも言えない、でも心地よい余韻に浸れます。


とにかく優しさに溢れ、心に染みる素敵な映画です。
himaco

himacoの感想・評価

5.0
最初から最後までほぼ涙が止まらない。。
なんなんだ。。この。。
愛、しか知らないような2人は。。。
幼い頃母親に捨てられたロバンソン、妻に愛想を尽かされ逃げられたガスパール。

“名はジャンヌ 無一文 よろしく”
と書かれたメモを胸に付けられ、家族から置き去りにされた老女。
独り歩くジャンヌを見かけたロバンソンはガスパールと住む自分の家に連れて帰る。
それぞれ心に傷を負う3人の同居生活が始まる。

ロバンソンとガスパールが他人の家に忍び込んでディナーを楽しむシーン。
食べることもままならない程、声を潜めた笑いが止まらない男2人。
こんな幸せな食事シーン観たことない!
こっちまで肩が揺れる。

彼らの夢の食堂。
海辺に並べられたカラフルな椅子とテーブル。
色とりどりの愛が心を揺さぶる1本。
みやこ

みやこの感想・評価

5.0
ひとりだけど、ひとりじゃない

自分の子どもに置き去りにされた老女ジャンヌと、彼女を拾った中年男ロバンソン&ガスパールとの奇妙な共同生活を描く。

なんといっても、ロバンソンとガスパールのコンビが最高。失業中でお金も食べるものも無いのに、あんなに毎日楽しそうに笑って過ごせるなんて羨ましいかぎり。他人の家に忍び込んで晩餐とか普通に犯罪だけど、この二人ならこっちから招きたいくらい。そして、ケラケラ笑いながらパーティーをしてほしい。

ばあちゃん、ガスパール、ロバンソン、ローズ、イヴ。登場人物みんなが何かしら孤独な思いを抱えているけど、孤独を知る者だからこそ持つ「優しさ」が彼らを結びつけていく。人と人との出会いで、1+1が3にも4にもなることがある。この映画の、弱い者に対するまなざしはとてもあたたかい。

おはよう○○!とか、背中にペンキがついちゃうとことか、看板を見上げるとことか、良かったシーンを挙げればきりがないほど。カラフルな画面とゆったりとした音楽も、なんとも言えない良い雰囲気を出している。ちょっぴり切なさが残るラストシーンも大好き。

私も鮮やかな色のペンキが塗られた椅子に座って、あの食堂でほっと一息つきたいな。波の音を聞きながら。
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