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幸福(しあわせ)のcchhiikkaakkooのレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
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ひとつだったはずの愛は、ふたつになり、また別のひとつとなる。
家族4人が手を取り合って歩く夏の森から始まり、季節は移り行き、紅葉の中を歩く4人の後ろ姿で終わる。変わったのは、、。怖い、、。


“僕は僕だ。”って、嘘がつけないからと、己の愛のかたちを受け入れてもらおうなんてズルいにも程がある。今の時代だったら、間違いなくこんな旦那なら捨てられるね。でも映画の中の女たちは黙って飲み込もうとするのだ。それだけこの映画が撮られた時代の女性の立場が弱いものだったのかもしれないね。
それにしても不倫相手との再婚後、部屋の中がどんどん彼女仕様になっていくのが悲しかったわ、前妻の存在が少しずつ薄れていって、いつしか本当の意味で“なくなって”しまうんだねあの家から。愛の灯火も、そこにあったはずの幸せも、なんて頼りなく消えては姿を変えてしまうんだろう。
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