真田ピロシキ

アラバマ物語の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

アラバマ物語(1962年製作の映画)
4.0
ベター・コール・ソウルS3の最終エピソードにて弁護士休業中のキムが観ていた映画。なるほど、引用されたのがよく分かる。弁護士としては勿論、一人の親として文明社会の市民として良心に則り社会が誤っていても毅然とした正義を貫くことの尊さが描かれている。主人公のアティカスが喧嘩をした娘に妥協の必要性を説く温和な人物だからこそ、法廷内外で圧力をかけられようとも決して譲らない強さがより際立っている。

作中で焦点となる人種差別に関して、レイプされたと主張する彼女が常日頃から差別を口にしていたのではなく、寧ろ逆だった点に多くの人間に隠れ潜んでいる差別思想の根深さを感じた。この点は作中の時代から80年以上を経た現代でもあまり変わらない。