TAKU

狂気の海のTAKUのレビュー・感想・評価

狂気の海(2007年製作の映画)
5.0
憲法九条を改正して日本を「普通」の国にしようとする首相。首相である夫に内緒で富士山の麓に核兵器を作っていた妻。米大統領呪殺を解明するためにやって来たFBI霊的国防部の女捜査官。富士山の地下に潜む古代王国富士王朝。それぞれの思惑が交錯し、クライマックスは『日本沈没』級のカタストロフが展開される。

一言でいうなら、高橋洋版『博士の異常な愛情』。映画の境界線をぶち壊していた前作『ソドムの市』の尺と内容を3倍に濃縮し、さらにぶっ飛び度10倍にして、そこへ憲法九条といった政治的な部分までもぶち込んだ映画になっていた。ここまでくると、アウトサイダーアートの領域だ。

特に、映画で語られている社会的テーマは、現在の方がより先鋭化してしまっているのでシャレにならない。しかし、テーマや物語といったすべてが爆発するクライマックスは、「低予算で滅茶苦茶なのに、なぜこれほどまでに我々の心をとらえてしまうのか」とを考えさせられる。