最終章前に久々の鑑賞。
中尾彬の命乞い。
松重豊の「ヤー公」呼ばわり。
薄眉の塩見三省の恫喝。
何度も巻き戻すほどに、堪らない。
特に塩見三省。
花菱幹部が木村に手打ちの段取りを詰めるシークエンス。
西田敏行の説明と反論する中野英雄に耳をほじり貧乏ゆすりでイライラを募らせる姿に寄るカメラ。
埒が開かんと一気にまくし立てる様が痛快。
たけしとのタイマンもコントのようで楽しい。
ただ、西田敏行がひどい。
非道いのではなく、関西弁のドスの利かせ方が酷い。
ネット上で様々な噂が飛び交い(知らない方は”西田敏行 骨”で検索)その真偽はともかく、ハマり役の可能性は十分だったかもしれない。
ただ、嬉々として演じてる様子が安っぽく、所詮は似非関西弁なのには噴飯を禁じ得ない。
前作の石原役は当初押尾学がキャスティングされていたらしいが、それが実現していれば今作が存在することも無く、仁義シリーズの田中邦衛演ずる槇原に匹敵する加瀬亮の演技も見れなかった事になる。
高橋克典演ずるヒットマン軍団の銃弾のインフレには胸焼け。
エンディングは見事ともベタとも言えるし、カメラワークや構図など北野映画らしい味付けが前作よりは弱く、作品を貫く色気に乏しい。
前作に引き続き音楽は鈴木慶一。
70年代映画のような安っぽく不穏なシンセ音が妙なフレーバーを加えている。
最終章にはハードルを一段と下げて臨むつもり。
密かに原田泰造に期待。