Ginny

ポカホンタスのGinnyのレビュー・感想・評価

ポカホンタス(1995年製作の映画)
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初めて見た。
そしてはじめてwikipedia見て“ポカホンタス”が実在の人だったと初めて知った!衝撃を受けた。
そして読み進めるうちにもっと衝撃を受けた。

アニメーション映画として、美しいセル画に心奪われる。水しぶきの白い絵の具?の筆のタッチが『崖の上のポニョ』(これも手描き)と同じで、手描きの味わい深さに感動。
この映画の中のポカホンタスという女性の気高く、凛々しく美しい様子は目を奪われるものでした(SUITSのジェシカピアソンみたいでときめいた、好き)。

でも、wikipediaでバックグラウンドを知ったら、映画を評価できなくなりました。あまりに、していることがひどいです。
ディズニーはやってはいけないことをしてしまったと思います。
本作で描かれている愛するということ、許すということ、和解するということ。異種族間に起きた話は感動的であります。
だけれど…それを“ポカホンタス”という実在の女性を利用して脚色し事実を捻じ曲げたこと、インディアンが許すわけありません。
歴史は常に勝者が書き残してきたものですから、都合よく脚色されているということが、このポカホンタスというアニメからもよくわかります。

例えば、私の母国の実在の人物をモデルに、同じ名前で、事実を捻じ曲げて描いて、その人物に襲い掛かった悲劇をなかったもののように扱い、美談にしたてあげ、鮮やかなアニメーションや美しい歌で飾り立てて、世界がそれを称賛したとしても、私は日本人として、とてもではないですが許せず、受け入れられない。
超えてはいけない線を、超えてしまった。
いけないことをしてしまった。
あの美しいアニメーションには罪がないのに、作り上げる過程の人間たちが罪を犯してしまった。

美談ファースト、で描こうとして、予定調和、ご都合主義でパートを当てはめていってもつぎはぎだらけになるのです。
本作でも、描いていることは美しく、アニメーションも美しいですが、2人の愛し合う様に説得力がありません。

そんななのに、よもやポカホンタス2まで作ってしまうとは…。
少数派(実際に数として…)の声は聞き入れてもらえないのでしょう。どれだけ強く苦しんで、どれだけ訴えても。
ディズニーという会社は恐ろしいです。

ルーカスフィルムを買収し、ジョージルーカスが作り上げた美しく壮大な神話をぶち壊しました。
SW8は致命的な作品であり、駄作のスピンオフも量産しています。

そして20世紀フォックスを買収する噂も出ています。
私がここで、この感想を書いて、どうにかなるわけでもないけれど、20世紀フォックスの良さが残るように願わずにはいられません。

ディズニーはポリティカルコレクトネスに振り回されているように思えますが、それでいて弱者、自分たちの成功の歴史に異を唱えるものは無視しています。
これでよいのでしょうか。

ディズニーは好きだけれど、諸手を上げて賛同することはできません。
Ginny

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