Ginny

オッペンハイマーのGinnyのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.9
109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXレーザーGTで鑑賞。
先日DUNE2でIMAXレーザーGTか通常上映かで画面の幅が異なるというポストを見かけて、そんなんアリ!?と衝撃を受けました。
大阪に行く予定があったのでせっかくならばと全国に2か所しかないIMAXレーザーGTを見てみることに。
DUNEは1作目が自分に合わなかったので見送りオッペンハイマーにしました。ファーストデーかつ会員特典でお得にプレミアムシート確保できてワクワクしてましたが、行く前にオッペンハイマーはIMAXレーザーで見なくても良いかもというポストを見かけて凹みました…が、いざ実際に見てみたらとても良かったです。

◾️IMAXレーザーGTの感想
最高。最高の映像体験。自分の目で世界を見る時に、映画のスクリーンの上下のような黒い帯はないわけで。映画を見ている、のではなく、目撃しているような体感になる。
オッペンハイマーの中で、アスペクト比は変わりますが。
ど迫力で視覚効果が派手な映画じゃなくともIMAXレーザーGTは楽しいんじゃないかなと思いました。

◾️唯一の被爆国の国民として
何度もショックというか呆然とするというか、力が入らないというか。そういうこともある。
落とす場所を決める話し合いでは、意識しない間に涙がボロボロ溢れてきた。
感情が説明つかないけれど多分悔しい気持ちがある気がする。
トルーマン大統領の態度は怒りがわいた。悩む感じがなく飄々としてるからかな。(トルーマンが指示したのかどうかの史実のところはどうなのか)
ただ、起きてしまったことだから、戦争経験者が減っていくことが止まらない今、忘れられないために「HIROSHIMA」「NAGASAKI」と映画にのせて広く伝われば良いなと思う。
ただ皮膚が剥がれ落ちる表現は、そんなもんじゃねーーーーーーとなるし、投下後の報告共有会?でオッペンハイマーが目を逸らした時は逸らすんじゃねーーーーー!となる。
私は、被爆国の日本人ではあるけれど、遠縁も知り合いもないので言葉は良くないけれど他人事の範囲は超えられないかもしれない。
だからこの感想はそういう人間のものということで、当事者、血縁者はまた感じ方は違うかもしれない。
広島、長崎も訪れて資料館を見て、中学の授業では目を背けたくなる被曝被害のドキュメンタリーの映像を見た。広島の平和記念資料館は小学生の頃に行ったので、まだあの衝撃的な蝋人形がある時でした。
この映画に関わった人たち、資料館訪れたんだよね?という気持ち。

◾️映画として
すごい。本当にすごい。めちゃめちゃすごい。
編集最高すぎる。
あの、、前半ちょっと寝ちゃったんですが、、そんな者が言うのもなんですが…見る時に、理解するぞ!という気概で必死に集中しようとするのがすごく心地よかったです。
見るか迷ってる方、絶対映画館で見た方が良いです。
携帯、ソファ、ベッド、食欲etc誘惑だらけの家でこの映画に集中して見るの難しいと思います。
前述のIMAXレーザーGTで見なくても良いかものポストだったか他だったか記憶曖昧ですが、映されている時代がころころ変わってわかりにくい、出てくる登場人物が多くて理解が大変だから予習した方が良いとか見かけたんですが、何も知らずに見てどれだけ楽しめるか/理解できるか自分を試したい欲があったので予習せず見に行きました。
これ、集中してみればそれなり(初見で完璧には絶対無理)に理解できると思います。
年代がころころ変わると言っても、シーン転換がわかるように気遣いある繋ぎだなと思いました。
海外俳優をある程度知っている、声を聞き分けられる、のならば登場人物の名前が覚えられなくてもわかります。
TENETがわかりやすかったので、もしかしてノーラン作品と私、相性良い?!と思えてきました。
キャスティングもすごく良かったと思います。
これだけ登場人物がいるのに、似てる人がいないおかげで区別がつきやすい。
さらに、有名な人、顔を見たことがある気がする俳優が配置されているので混同しにくい。
アカデミー賞受賞したキリアンマーフィとロバート・ダウニー・Jr、ノミネートされていたエミリーブラント以外誰が出るか把握してなかったのですが、ケネスブラナー、マットデイモン、フローレンスピュー、ラミマレック、デインデハーン、あと名前わからないけど他の映画で見たことあるぞ、な人たち。
エンドロールで、ジョシュハートネットが出てると知ってびっくり!!!パールハーバーという言葉が出た時思い出してたよ。
ゲイリーオールドマンもびっくり。。

エミリーブラントの演技、すっごく良かった。
キリアンマーフィの演技もすごく良かった。
ロバート・ダウニー・Jrの演技もすごく良かった。
みなさん演技良すぎて語彙力消える。
それぞれの置かれた立場で顔つきや眼差しが違っていて見応えある。
フローレンスピュー、インティマシーコーディネーター!!!!って見てて動揺する。
ケネスブラナーが良い役どころで心満たされた。ポワロの雰囲気に近いというか。
オッピーに原爆を開発することについて世界を変えてしまうことだと、苦言する台詞が良かった。その後のオッピーの、人はそれが起きなきゃ気づかない的な(だいぶ違うかも)台詞も、まぁ確かに…となって良かった。
感想?意見を語るのが難しい映画。
層?レイヤー?範囲?が違うと、そういうことを言ってるんじゃなくてね、、となりそう。
実験、開発が成功したことの喜びは、それはそれで起こり得ると思う。けど、そうじゃないじゃん作ってるものは、、となる。
タイトル通り、オッペンハイマーにフォーカスされて作られているので、日本人が見たら複雑な気持ちがよぎるとは思うけれど、、この映画の主軸は終始オッペンハイマーなんだなと。
原爆投下の後、みんなの前でスピーチする時のシーンの描き方が、凄まじかった。良いなと思った。混乱と自省の兆しからの動揺というか、でも「その」ための街なので達成できた事実の喜びもあって…。
見ながら、最初のゴール設定を見誤ってしまうと危ないのだなと思わされた。

音楽もめっちゃ良かった。
重い題材、独特で激しい場面転換、俳優の演技を支え、作品のレベルを底上げする音楽でした。

第96回アカデミー賞授賞式のWOWOW放送で町山さんが3回見てようやく理解できてきたみたいな話をされた時に3回も見るの?!とその時は公開前だし原爆のこと描かれてるし、と驚きと複雑な気持ちがあったけれど見終わった後はその気持ちも行動も理解できるし、2回目を見に行きたいなと考えています。
オッペンハイマーの映像の世紀を録画したのでちまちま見てるんですが、映画で感じたのとオッピー違うかも、と動揺してます。映画が美化されてたらやだなぁ。
文字量半端ないパンフレットも買ったので、映像の世紀、パンフレットを見て2回目を見たらまた感想変わるかも。

性的な表現とか、ちょこちょこなにこれ?!とか、質感が異なるなんかダサい!なシーンが挿入されて、ん?となるので0.1引きました。
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