Ginny

TAR/ターのGinnyのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
1.5
こんなケイト・ブランシェット見たくなかったなという気持ち。

彼女がしたことは悪いことだけど取り立ててあえて今描いて騒ぎ立てることか?と疑問が過ってしまうほどありふれたもので物語のパンチは弱いなと感じた。
酷いことなので、その物事を軽視するわけではないけど、そこの糾弾というよりター自身の凋落にフォーカスされてしまうとどうしても同情心をくすぐられたり、居心地の悪さを感じてしまったり落ち着けなかった。

ジュリアードの講義で、バッハを評価できないというマックスに対してはリディアの意見に賛同するのだけれどあれはどうなのだろうか。
デジタルネイティブよろしく人権派、リベラルネイティブ世代が存在するのかなと思うこの頃。
問題・壁にぶつかってから試行錯誤して導き出し自らの思考力と行動で動いてきた人たちに比べ、最初からあるべき姿・正解のようなものを用意されて物事を判断する世代は問題をごっちゃにして正義に酔うこともあるかと思う、そこは分けて音楽を評価してみても良くないか?と。

白人社会で相手にされなくてもアジアならそれなりに歓待されるのってバカにされてるのかなー…とモヤモヤ。
最後のコンサートも、あんなにコスプレすることあるかな?誇張しすぎでは、とモヤモヤ。

演技がすごいとは思うけど、最近モヤモヤし続けていることはマジョリティであった白人女優は、美しく華やかで正義の演技では評価されないのか?ということ。
悪役になったり、凋落を演じさせたり、過激な演技でないとここまでやったと思われなかったり、、とかあるのか?と。
それって逆差別じゃ、と少し気になる昨今です。

女性主人公の凋落だけど、自身をパパと言ったり、若い女に目が眩んだり、強要したり、支配的だったり。
「男性性」を感じたけど、これはどちらで受け取れば良いのか迷った。
女性もこういうことがあるのか、結局は性別じゃなく男性性なのか。あんまり後者を主張すると、馬鹿にされそうですが、前者に寄るには後者ぽい描写や要素が見られて困惑です。
振り切ってないなぁと感じたのも、作品に入り込めなかった一つの理由かもしれません。
Ginny

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