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幸福の黄色いハンカチの821のレビュー・感想・評価

幸福の黄色いハンカチ(1977年製作の映画)
4.0
赤の他人で、てんでバラバラに見える3人組が、マツダの赤いファミリアに乗って北海道の大地を転々と移動してゆく。

最初は本当に、どうやったらこの組み合わせになるよ?ってくらいデコボコな3人なのに、ストーリーが進むにつれて、クセになるような唯一無二のトリオになっていく様が見てて微笑ましかった。撮影を通じて、本当に親睦を深めていったんだろうなっていうリアルさもありました。
3人がそれぞれ思わぬ方向で助け合い、支え合い、成長していく。そして、最初は鬱陶しく見えたピカピカの赤のファミリアも、ボロボロになるにつれて愛おしい存在に見えてきました。

高倉健、やっぱりカッコいいなあ。出所して初めてビールを飲みラーメンを豪快に食べるシーンは「シャバのありがたみ」が語らずとも現れていた。
ラストの倍賞千恵子にカバンを手渡し、寄り添って家に帰っていく。過剰にドラマチックには見せないんだけど、古き良き日本の語り方だなあってぼんやりと思いました。なんとなく、出兵してて戦場から戻ってきた夫との対面シーンのようなね。
あ、ちゃぶ台返しにも昭和を感じた。

武田鉄矢も桃井かおりも、あまりにもいい味を出していて。ラストもとっても良かったです。

終盤から黄色が画面に映り始めて、最後にパッと黄色が咲くのがとても印象的で。(高倉健がタンポポの花を弄ってるのがかわいい。) 観てる方まで、ポッポッポッと花が開くように幸せな気持ちになりました。
しかしこれ、ポスターとタイトルが盛大なネタバレなんですね。まあ、国民的名作だから…。
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