スティーブ

スパイ・ゲームのスティーブのレビュー・感想・評価

スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)
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任務に失敗し、敵地で収監された教え子スパイを救う奪還作戦を実行させるため、キャリア最終日を迎えたCIAエージェントが本部内で暗躍する、スパイもの。

いやあ、文句なしの傑作。
以下ネタバレ。
教え子のスパイを救うための奪還作戦を決行させるべく、キャリアの最終日を迎えたエージェントがあれこれCIA本部内で暗躍する、というストーリーがまずユニークでいい。そこから描かれる、「ビショップがなぜ単独で無茶な救出作戦を実行したのか」という過去やミュアーとのやりとりも、どれもこれもすばらしい。マスコミに情報をリークし、一度は国を動かせたと思ったものの、国のほうがスパイはすでに死亡しているとして切り捨てにかかる辺りはまじでありそうだと思えたし、そこからさらにミュアーが機転をきかせて食い下がっていくところや、最終的に己のキャリアを擲ってでも本部を出し抜いて作戦を決行させる展開(最後の職員の「Jesus Christ……」って台詞もよい!)、ヘリの中で救出されたビショップが、誰がどう動いたことで自分が救出されたのか、をまったく説明なく無言のうちに悟るところなど、熱いシーンのオンパレード。別れた妻の話、ディナー作戦など、会話の端々のちょっとしたこともきっちり伏線として機能するのも心憎く、腐す点がちょっと見当たらなかった。