ゴン吉

四十七人の刺客のゴン吉のレビュー・感想・評価

四十七人の刺客(1994年製作の映画)
4.1
池宮彰一郎の小説をもとにした独自の大胆な解釈による忠臣蔵の映画作品。

殿中で吉良上野介への人情に及んだ赤穂城主浅野内匠頭は、人情の理由が不明のまま切腹、赤穂藩は取り潰し、吉良はお咎めなしとなる。
事件直後に塩相場で資金を作った赤穂筆頭家老の大石内蔵助は、吉良の賄賂の噂を流し、浅野哀れ吉良憎しの世論感情を煽り、また赤穂浪士の討ち入りの噂を流して江戸城御府内にある吉良邸を城外に移転させるなど情報戦を繰り広げる。
一方、上杉・吉良側も討ち入りを想定した堅固な守りの屋敷を新築し、旧赤穂藩士の仕官を裏で斡旋して旧赤穂藩側の切り崩しを行う。
そして運命の討ち入りの12月14日を迎えることになる...... 

塩相場で資金を調達したり、世論操作による情報戦の裏での画策、人情の理由も不明なままの討ち入りなど、独自解釈の忠臣蔵が見どころです。
吉良邸の迷路のような庭や仕掛け屋敷も楽しめます。
本心は堅物というイメージがある大石が、本作では京で筆屋の娘と一線を越えてしまう恋も描かれています。
「旦那さんおかえりやすの?」
恋の相手役かるを演じた宮沢りえも初々しいです。 

BS TVで鑑賞
第18回 日本アカデミー賞にて助演男優賞を受賞(1995年)
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