カトキチ

バードのカトキチのレビュー・感想・評価

バード(1988年製作の映画)
5.0
時間軸がずれまくっており、細々したエピソードをブツ切れに繋げ、まっすぐ進んでいかないなどイーストウッドなりの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』であり、それをジャズの歴史とチャーリー・パーカーの生涯に置き換えたような作品。

わざわざ40年代に録音されたチャーリーの演奏を抜きだし、現代の音源にくっつけるなどサウンドだけでも並々ならぬこだわりがうかがえる。それだけでなく、カメラは絶えず上に下に横にと動き続け、長回しを多用したり、会話シーンでは早いカットで切り返すなど、映像も今日のイーストウッドらしからぬリキの入れよう。長尺のわりに一切ドラマチックにならないし、ダークサイドは切り捨てているが、ジャズのセッションを映画で表現したかのように雰囲気が良い。
カトキチ

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