ミーハー女子大生

アポロ13のミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

アポロ13(1995年製作の映画)
4.1
5日22時間54分41秒の人間ドラマ。

例えば、人間の努力は成功という結果で 報われるのは一般的な考え。
成功すれば、脚光を浴び、努力に対し、労ってもらい、 認めてもらえるというもの。
だが、失敗すれば、努力が無駄の様に感じ、無力感を感じる。
しかし、努力は決して、100%無駄ではない。
無駄という結果を今後、どの様に生かすかが重要であると。

人生というのは失敗してナンボの世界であるのは 確かだが、どうしても絶対に失敗できない出来事は 人生の中で何度か遭遇する。
そういう経験を積み重ねることで、人は大きくなり、進歩する。

今回のアポロ13号のフライトも、決して失敗が許されないミッション。
今回のミッションも失敗の経験を反映し努力した積み重ねです。
無論、失敗が許されるミッションではない。
しかし、月へ向かう途中でのアクシデント・・・
そこから、アポロ13号が、地球へ戻る為に、 アポロの乗組員と、NASA管制塔との 限られた時間で知恵を結集して、困難を乗り越え、 地球へ生還する話である。

専門用語とか飛び交っているけど、 重要なシーン毎で、台詞で解説しているから、 機械に弱い方でも大丈夫です。

このアポロ13号のフライトは調べてみると、 5日22時間54分41秒だそうです。
5日22時間54分41秒の出来事や雰囲気を分でどの様に伝えるか?
5日22時間54分41秒の出来事を上映時間140分にまとめるのは 至難の技だったと想像してしまいます。
手堅く、正攻法でまとめているが、これでいい。
結果的には上手く伝えていると思う。

多少の脚色とか入れているかもしれないが、 この映画の本筋から決して逸脱はしていないし、 気に障るレベルではない。
リアリティにこだわるのなら、 この手のドキュメンタリー番組を見た方がいい。
これは、事実に基づいて、娯楽性を加えた映画。
観る人に、ある程度のリアリティに描くのは当然として、 観客に対し、脚色して、解り易く、テンポよく、伝えることも重要。

この映画で描きたかったのは、アメリカ人から見れば、 逆境の中で地球に帰還させるチャレンジが、 アメリカのフロンティア精神とリンクさせて、 アメリカ国家や人々の栄光や潜在能力の高さを 訴えたかったのではないかと思います。
アポロ計画自体が、アメリカの誇りの象徴でしたからね。
アポロ13号のミッションは「輝かしい失敗」と呼ばれています。
矛盾した表現ですが、アメリカ人らしい表現。

しかし、アメリカ人以外がこれを観た感じでは、 限られた状況で必死に地球へ帰還しようとする 人々の奮闘ぶりから、純粋に人間の無限の可能性や、 逆境でこそ芽生える人間の可能性を 描きたかったのではないか感じてしまう。
国によって映画の捉え方が変わるのだから面白い。

宇宙開発に関し、現在は、アメリカは先駆者になっているが、 いずれ、宇宙開発に関しては、全世界共通認識になり、 誰もがいける場所になるでしょう。
様々な困難や障害に立ち向かい、宇宙へ旅立つというのは ロマンを感じ、人類の進歩の象徴も感じます。

困難に立ち向かうこと・・・。
努力すること・・・ 。
逆境でこそ、人間の無限の可能性という 潜在能力が表れ、試される。
国によっては、利便性、意味合いが異なるにせよ、 前代未聞に対するチャレンジで、前向きに頑張る事に 関しては、世界共通認識であります。

前向きに、人間の無限の可能性を感じる映画として、 お薦めの1作です。

ストーリー 5
演出 4
音楽 3
印象 4
独創性 4
関心度 5
総合 4.1