雨虎

悪魔のいけにえの雨虎のネタバレレビュー・内容・結末

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

映画としては純粋に食人一家の魔の手から若者が逃げるというもので、最近のホラーやサイコ映画にありがちな背景が一切描かれていない点がとてもシンプルだった。
動機としてレザーフェイスがゲームに登場したり、アニメでもオマージュがされていたのを見て興味を持ってからの鑑賞だった。ゲームでは鉄扉、骨のインテリア、二階の窓を破って飛び降りるという部分が同じで、いわゆる聖地を訪れることができたような感覚があった。
また、ゲーム内でレザーフェイス自身のマスクの変更はゲームオリジナルだと思っていたら、本当に映画でもマスクが変更されていて驚いた。しかし、正直に言ってしまうと、そのぐらい何の意味があるのか分からなかった。もしかしたら、こういう部分に何らかの背景が隠されてあって考察する余地があるのかもしれない。

いくつか納得いかなかったのは、自家発電機の見せ方があとで脱出の鍵となる存在かのようなものであったにも関わらず全く関係なかった点は少し残念である。おそらくは人がいるという証拠のためなのだとは思う。しかしこれも、現代の映画に慣れすぎているせいなのだろう。脱出の際になにか苦労して、成功か失敗かをドキドキしながら見るというものでもないということなのかもしれない。
個人的に苦手だったのは最後の若者をグランパが殺害しようとする際、若者がずっと悲鳴をあげ続けており、グランパはハンマーを落として拾わせて、また落として拾わせてを何度も繰り返しており、そのシーンが長く感じた。

低予算でたったの7日間で撮影された上に衣装の汚れもそのままで暑い時期での撮影というのも相まってキャストが疲労しているように思えたが、それがかえって狂気の一家に捕らえられた被害者の表情にマッチしており、迫真と言える演技が見れた。
おそらく同じぐらいの年代の他ホラー作品と比較すると、レザーフェイスは幽霊や怪物でもなく、(モデルとなって事件があったと噂されたが)実在してもおかしくない人物であるため、その点の恐怖は感じられるが、近年のホラー映画とは異なる感覚に思う。
雨虎

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