J四郎

悪魔のいけにえのJ四郎のレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
4.0
ホラー映画史に残る傑作。
よく雑誌などで一番怖いホラー映画は?と特集があると、この映画が間違いなく上位に入っている。
チェーンソーを使う殺人鬼の大元となったレザーフェイスが登場する。

久しぶりに観ようと思って借りに行くとずっと貸出中。
それが数か月続いていたので、未だに人気があります。

僕が子供の頃、家の周りには田畑が多く、そこで友人とよく遊んでいた。
すると畑の持ち主ジジイが体格のドデカイ兄ちゃんを連れて来る。その兄ちゃんはちょっとアレな人で、ウオォォー!!と叫んでは大きな石をこちらに投げて追い払ってくる。
マジでぶっ殺されそうになった事もあった。
その兄ちゃんとレザーフェイスが重なって、ガキん頃は恐怖を覚えたもんです。いや、田舎って怖いですね。

この映画、久しぶりに観ると本当によく出来ている。
若者たちもキチガイ一家も、ようこんな役者集めたな?ってくらいイイ。
オーバーアクションだけど皆、いい表情してます。

まず登場するはキモいヒッチハイカー。最初に観た時はこいつが追っかけてきて殺しにかかるのかと思っておりました。
こいつくらいなら、田舎の自治体に1人は居そうなのでリアルにキモいですな。いや、田舎って怖いですね。
若者たちもいい感じにイラつかせてくれます。

アナログ時代ならではの表現、カメラワーク、小物と映像も凝っている。
レザーフェイスの初登場シーンは衝撃的で、初めて観た時は「え?今の何が起こった?」と開いた口が塞がらなかった。
改めて観るとそれほどグロくないし、残虐シーンが多いわけじゃない。
登場人物の表情や演技なんぞで想像させる感じかな。
ぶっちゃけ、リメイク作の方が怖さでは上かも知れない。

ただ、この映画は怖いだけじゃない魅力があると感じた。
レザーフェイスはなんだか愛嬌があるし、終盤に集結するキチガイ一家どもは個性豊かで魅力的にキモい。
ウザいほどの演出が楽しくなってくるんで、もしやコレってコメディとして狙ってる部分あるんちゃうかな?そこは死霊のはらわたと似た感じがする。

この映画が後のホラー映画に与えた影響は絶大で、殺人鬼といえばチェーンソーってイメージが付いた。
いま観ると大して怖くないが、やっぱりコレ面白いです。ラストの展開が説明できんけど、なんか好きなんよな~。
J四郎

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