シネフィルmonk

水の話/プチ・シネマ・バザールのシネフィルmonkのレビュー・感想・評価

2.8
フランソワ・トリュフォーがパリでの大洪水を即興的にカメラを回した未完の映像で「放置していた」(忘れていた)ものを、ジャン・リュック・ゴダールが報道映画の洪水の空撮映像の断片とナレーションなど合わせて構成した作品。

当時、二人はまだ仲が良くゴダールの提案で共同監督作品(唯一の)として発表された。モノクロのわずか18分の短編映画だが、洪水の記録映像など中心にサイレント喜劇とラブロマンスのタッチで描かれ、トリュフォーの優しく流麗な映像に、ゴダールが軽快なリズムとジャズ・センスのある音楽を加えて編集、ヌーヴェル・ヴァーグを支えた二人の共同作業による珠玉の一編。

洪水に見舞われた町からなんとかパリにたどり着こうと悪戦苦闘する女性をカロリーヌ・ディム、彼女をヒッチハイクでパリまで送り届け、恋人になる男をゴダールの「女は女である」に出演していたジャン・クロード・ブリアリが演じている。

日本公開に当たり、短編オムニバス企画「水の話 プチ・シネマ・バザール」(全5編)の1編として上映されたそう。
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