シズヲ

さいはての用心棒のシズヲのレビュー・感想・評価

さいはての用心棒(1966年製作の映画)
3.5
ジェンマのマカロニ・ウエスタン。監督も主演も「荒野の1ドル銀貨」と同じなだけあって冒頭の不良北軍兵士と南軍捕虜のシーンからして雰囲気が近い。中身自体は良くも悪くもジュリアーノ・ジェンマ主役の西部劇。各地を跨ぐスケールの割にマカロニらしく展開は大雑把でなんとなく絞まらないけど、主役がジェンマというだけで取っつきやすい娯楽性は保障されてしまうので憎めない。爽やかで軽妙な主人公像に加えて、アクロバティックなスタント(度々ある乱闘のシーンが楽しい)や痛快でアク控えめの作風などジェンマらしい魅力が詰まっている。

登場人物に関してもデカパイのコニーや元合衆国兵士の爺さん、北軍の軍曹など魅力的な面々が多く、ジェンマ以外で本作を引っ張る要素になっている。とはいえシンプルゆえに他に秀でた部分は殆ど無いし、両目をやられる重傷が何故か自然治癒で治ったりとツッコミ所も少なくない。全体的に見ると小粒な内容だけど、ガンアクションに乱闘に拷問などマカロニの要点を押さえた上でジェンマらしい溌剌とした作風になっているのでぼちぼち楽しめる。
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