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江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間のbrianのレビュー・感想・評価

4.2
人間の凡ゆる欲望が複雑に絡め合いながら憎しみへと繋がり、やがては涙と死で最期を迎える物語。
舞台は大正時代だけれど、今の世の中にも通じるものがある。いや、今はもっと酷いんじゃないかな。いったい人間はどこまで悪の道に染まっていくのだろうか。

輝男ちゃんらしいエログロを描きながら、ナンセンスやコメディも忘れずに作り上げている。
精神病院のシーンは「狂った一頁」をオマージュしているし、「屋根裏の散歩者」や「人間椅子」のシーンは原作者の江戸川乱歩に敬意を表している。

名探偵・明智小五郎の登場で全部おいしいところを持っていた感は否めないが、複雑で難解な物語をまとめてくれたのは良かったんじゃないかな。

舞踏家の土方巽に注目していた。
眼光が鋭く、まるで野獣のような目付きで夜の暗闇で出会ったら驚くだろう。
奇抜な役柄のために踊るシーンは控えめだったのは残念だけれど存在感は抜群だった。


「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」予告編
https://youtu.be/-rbRWgr4F0Q
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