マカ坊

別離のマカ坊のレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
4.0
編集のテンポ感と情報の開示・不開示に完全に乗せられていた事に観終わってから気づく無欠の映画。

割れた窓、鏡、ドア、階段による上下の空間使いなどなど、構成要素がいちいち不穏で的確。

答えのない知恵の輪を少しずつ解きほぐしていくような展開と、でもやっぱり答えはないから決してスッキリしない余韻。

普遍的な男女間の軋轢を軸に、直接的なイスラム法批判というよりは、現実の諸問題に追いついていない法規範への不信を描きつつ、かといって世俗主義的な脱イスラムを奨励するようなプロパガンダ作品でもない、非常に観客を信頼した映画。

完璧すぎるのが唯一の欠点というか、個人的にはもう少し隙のある映画が好きかなぁ。素晴らしいのは大前提として。

あと子供が可哀想なのは本当にやめてほしい。映画も現実も。
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