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壁の中に誰かがいるのumihayatoのレビュー・感想・評価

壁の中に誰かがいる(1991年製作の映画)
5.0
ただのハウスホラーモノかと思って見たら
なんだこれ!!!大傑作!!最高!!

主人公は荒れに荒れたゲットーのアパートに住む少年。
母親は癌に侵され、姉は出産を控えているが、貧困から抜け出せず、大家からはホームレスになるか3倍の家賃を払うか迫られるている。
姉の友達の不良に誘われ、金貨をコレクションしてるという大家の家に盗みに入るが、そこはまさかの超絶サイコハウス。
しかも壁の中には"誰か"がいた。

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いやー狂った大家はじめキャラクターが最高だし、設定の面白さもさる事ながら、驚愕すべきは様々な要素のブチ込み方と混ぜ方のうまさ。
ホラー、サイコサスペンスを軸に、子供映画の成長譚や冒険譚。間の抜けた笑いに、淡い恋心。
そこに更に社会問題の暗喩すら、お話の起結的にも全く自然に、そして完璧な形でブチ込んでくる快作。

資本主義の嘘と出鱈目、一部富裕層による貧困層への仕打ち。
無事でいる為の方法は一つ
「見ざる、言わざる、聞かざる」
しかし囚われ、隷属し、抑圧され、常に怯えているその状態が、果たして人間といえるだろうか。
いや、人間だからそんな酷い状態が罷り通ってしまうのだが。

ラストも完璧!アリスちゃんマジ頑張った!
いかなる迫害や抑圧、搾取する奴等
Go to HELL!!
これが唯一本当の富の再分配!
だから抑圧者達・搾取で利益を得てる奴らは民主主義を恐れてんだよ!

ウェス・クレイヴン掘るか!
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