ほーく

キャスト・アウェイのほーくのレビュー・感想・評価

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)
3.6
蔵出しレビュー。
時は、2001年3月7日

【肉体改造】

邦題「キャスト・アウェイ」
原題「CAST AWAY」


評者  ほーく
評価  3
ひとこと  体もさることながら目つきがちがうね。


<コメント>


 いやあ、ファンタジー撮らせると抜群だね、ロバート・ゼメキスは。彼の撮った「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作、「フォレスト・ガンプ」、「コンタクト」は、どれも素晴らしいファンタジーだ。え?最初と最後はSFで、真ん中はヒューマン・ドラマだって?何をおっしゃる、お客さん、これらはどれもファンタジーですよ!良質のね。観ていて、ふんわかと暖かくなってきませんか?観終わった後,瑣末な矛盾なんて気にしないでしょ。それが、良質なファンタジーってもんですよ。
 この作品もその良質なファンタジーにあたるのは予告編で充分に知っていることですよね。で、ゼメキスは、それを撮るのには最適な人材だ。
 冒頭からクライマックス、そしてエンディングまで、これを字にすると実に古めかしい冒険小説のようだ。しかし、そこをうまく撮っているから観終わった後、気持ちよく劇場をでて帰れるんだ。そう、例えば冒頭のシーン。アメリカの田舎からモスクワまで荷物が送られる。その過程が実にコミカルだ。また、「ウィルソン」の存在、これなくしてはこの映画の味が数段落ちただろう。また、エンディングのけったいなオブジェもご愛嬌。そんなスタートとラストとの間に、トム・ハンクスがでんとかまえる。


 体つきを役によって変化させるのは、ロバート・デ・ニーロを筆頭に最近では必須な能力となりつつある。当然、トムも遭難直後の出っ腹が、脱出直前には6つに割れている。でも、体つきだけじゃだめなんだよね。目つきが同じなら観る側に伝わってこない。そこで、表情、特に目つきが重要になるんだが、前述のとおり、様々な局面を演出側が用意している。


 ぎらつく野心家の目から生存する意志の目、そして希望、失望、決意、放心、安堵、困惑、迷い、決別、解放、これらをすべて目で演じさせるゼメキスもゼメキスなら、それに応えるトムもトムだ。


このタッグなら、安心して観ていられるよね。


 で、なんで評価が3なのか?だって、こんな話に4をつけてちゃ、他の4がかわいそうだよ。だいじょうぶ、この3は安心できる3だから。
ほーく

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