hummingbird

仇討のhummingbirdのレビュー・感想・評価

仇討(1964年製作の映画)
-
64年、今井正監督、橋本忍脚本。重厚ながら、先が気になる展開で引き込まれる

橋本忍の「切腹」、今井正の「夜の鼓」と似た、封建制を批判する作品で、個人が藩や家の犠牲になる姿を描いている。

構成が巧み。最初に登場人物が紹介され、橋本忍らしい回想から、彼らの関係が明らかに。藩の上層部は個人の思いも知らず仇討を準備している。その温度差

三男は石立鉄郎だったのか。撮影は中尾駿一郎(この人もパージされた人かも)、キャリアのほとんどが今井正の作品のようだ。

分かりにくかった部分を調べた
(ネタバレあり)
・家督を継ぐのは長男。錦之助は次男なので「部屋住み」などと呼ばれる居候的扱い(神山繁は奏者番という管理職で、錦之助よりは身分が高かった)
・当時は私闘は禁止。破ればお家断絶となるので、両家は最初の決闘を「2人の乱心」として片付けた
・家を守るためには、錦之助は仇討から逃げるわけにはいかなかった
・仇討前に錦之助は潔く斬られようと、刀を切れなくしている

2024/2/20 FOD
-----
「日本映画の黄金期を書いた男 追悼・橋本忍」@新文芸坐
hummingbird

hummingbird