仇討の作品情報・感想・評価

「仇討」に投稿された感想・評価

この映画は明確な悪人がいないから怖ろしい。
錦之介としては正々堂々と追手を返り討ちにしているだけだが、武家社会からは狂った異端児として排斥され、一般社会からは連続殺人鬼として石を投げられる。
心身ともにひたすら追い詰められていく錦之介の姿は観ているだけで苦しい。
錦之介の決死の選択すら軽々しく見世物にしてしまう権力者達の、無神経で、それでいて容赦の無い集団暴力に絶望。
天下無双のイメージが強い錦之介だから意味がある。

このレビューはネタバレを含みます

華々しい東映時代劇の中でも異色の血生臭い作品ですが、「反武家社会」を描いた傑作です。
傑作にも拘わらず未だDVD化されていない理由はただ一つ、ある放送禁止用語が全編に渡って連呼される為でしょう^^;

仇討ちの討手は孫大夫亡き後、跡目を継いだ幼き弟、辰之助。
新八の事を兄の様に慕っていた辰之助は新八を殺したくないが家名の為に仕方なく仇討ちに向かう。
新八は仲の良かった辰之助になら討たれても良い、と仇討ちに向かう。

しかし「仇討ち」が完全に民衆の見世物と化していると判り怒る新八。
正々堂々の立ち合いで討たれようとしたのに奥野家は腕利きの助太刀を用意していた事に憤る新八。
新八の「助太刀無用!助太刀無用!」の声も聞き入れて貰えないまま、持参した刃引きの刀で必死で立ち向かう。
あまりの惨劇に討手の辰之助が泣き出して座り込んでしまう中、怒りに燃える新八は狂気に満ちた刀を振り回す。

この一連の流れの中で徐々に怒りのボルテージが上がっていく様が凄まじく、錦之助の鬼気と狂気の眼が恐ろしいです^^;
「一心太助」の様な爽やかな江戸っ子の錦之助でも「宮本武蔵」の様な求道者のストイックな錦之助でもない、恐ろしくも見応えのある時代劇です!
『切腹』と合わせて観た
髭生やした錦之助の狂気の演技、こんな錦之助初めて観た
ラストが壮絶
初)武士社会における封建制度の様子を仇討の執行を通して描いた作品。今井監督作品らしく随所に繊細なリアリズムな演出が光っています!
取るに足らない武士のプライドをまざまざと見せつけられる「切腹」は復讐劇であるが、こちらはなんとも理不尽極まりないお話。
錦之介さん迫真の忘れられない壮絶な仇討シーンは仲代さんの切腹前の大暴れに迫る勢いがあります。
ラストの兄弟愛…泣
寂々兵

寂々兵の感想・評価

3.2
厭な時代劇の傑作だが、個人的には松本俊夫『修羅』、小林正樹『切腹』には及ばず。まあでもヤバいことは間違いない。あとは伊藤大輔『下郎の首』を見ねば。
VHSレンタルにて。
中村錦之助の鬼気迫る演技と封建体制の理不尽さを描いた映画です。
橋本忍の淡々と話を進めながらも次第に狂気を帯びていくシナリオが面白い。
今井正監督の演出もいつもより乾いているので観やすかったです。
北米盤のDVDにて。(国内は今現在vhs止まり)英語字幕が親切でした。難しい日本語のメモ解説が上に表記されたり発言者が被ると色を変えて表記。武士道の美しさより汚さを、サムライの美学よりリアルを。どちらもいますの私達にとっては想像の産物でしかないのだが、人間に軸を合わせて撮ると組織体質にも通じたりもする。それはどんな時代でも、どんな民族にも共通するのではなかろうか?もがき、あがき、そして今日を生き。
▼4/23/16鑑賞
藩命、助太刀、理不尽至極。衆人環視の竹矢来。中村錦之助、憤激の乱れ斬り。
※特集上映(脚本家・橋本忍 執念の世界)(35mm)
一

一の感想・評価

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文芸坐。橋本忍特集。
容赦がない。期待も覚悟もなにかの重力に引きずりおろされるように無下にされていく。好き。