仇討の作品情報・感想・評価

「仇討」に投稿された感想・評価

ラスト近く、流れを気にせずにとにかくインパクトのある映像を積み重ねていくのは、他の作品に喩えるのは失礼だけど、やはりエイゼンシュテインに似てる
石投げられる萬屋錦之介がナザレのイエスにしか見えない
必要最小限しか抑えない音の録り方も良い
tarouman

taroumanの感想・評価

3.5
池袋新文芸座 追悼橋本忍

キ○ガ○が連発されて思わず苦笑いだが、古今東西大なり小なり被ってしまう組織の理不尽を軸に仇討のイベント化を先取りした橋本忍の脚本はまったく古びることはない。
時間軸を行き来しながら本番に向けて徐々に盛り上げていく構成の上手さ。
錦ちゃんの繊細な演技はクライマックスでついに暴発。狂気を帯びた殺陣は圧巻です。
余談ながら若き日の石立鉄男は当然ながらパンチパーマではありませんので悪しからず。
橋本忍の脚本の構成の巧みさはもちろん、錦之助の鬼気迫る演技や、仇討を見世物にしてしまうことへの批評性、クライマックスの仇討の場面の迫力も素晴らしい。ただ、最初になんで錦之助が殺してしまったのかが分からないため、今ひとつ感情移入はしにくかった。ま、感情移入したらつらくて見てられないか。意外なラストもよかった。

「日本映画の黄金期を書いた男 追悼・橋本忍」@新文芸坐
新文芸坐、追悼・橋本忍特集。

仇討ちが藩のセッティングのもと、公然と行われる。
そこに至るまでの人間模様や因果が時系列をミックスして描かれる様があまりに緻密で虚飾を排し滔々と。
橋本忍の脚本の素晴らしさに改めて感服。

鬼気迫るクライマックスを固唾を呑んで見守るも…

理由はどうあれ人を殺めた者の業に容赦ない視線を向ける。
面子、軋轢、矛盾、意地、覚悟、宿命…
正義が必ずしも是認されない社会の檻を嫌という程見せつける。

〜〜〜

ほぼ満席、JJI率99%
男子トイレの列の長さは新宿のタピオカ屋の比じゃなかった。
お小水待ちの上映遅延は初めて。

2018劇場鑑賞76本目
武士道残酷物語の極北。
錦之助の乱心も素晴らしいけど、田村高廣の終始一貫した板挟みの悲哀たっぷりの佇まいとその果てたるや。正&忍さいこう。
新文芸坐、橋本忍追悼上映にて。
シグルイの伊良子と藤木の仇討ち試合を思い出す。
1on1の試合開始直後に助太刀いたす!と現れる助太刀軍団。仇討ち試合の会場には、出店までならび、農民から武士まで様々な身分の者が集まってお祭り騒ぎ。
武士社会においてなにものよりも優先される家名尊重という大義の上に起こる、理不尽を描いた傑作だった。
Kuma

Kumaの感想・評価

3.9

このレビューはネタバレを含みます

小さな口論から決闘になり、名家の長男を討ってしまう。「乱心(キチガイ)同士の喧嘩」として処理されるが、次男が納得しない。無礼打ちしようとして、次男も討たれる。三男が仇討ちを行うことになるが、大事になったため、見世物のような形での公開リンチのようになる。意を決し、討たれる覚悟で望ん打主人公。意に沿わぬ仇討ちに、最後の抵抗をする。

ラストの仇討ちシーンが息を飲む。
お互いやりたくない(不本意な)気持ちが、演技を通してヒシヒシと伝わってきた。

家や世間体に縛られ、個人がないがしろにされる。当事者以外が騒ぎ立てる様が滑稽であり醍醐味だった。

時代劇に詳しくないので、キャラの見分けができず苦労した。あと何が問題かわからず。事前に調べて見たらよかった。
戯連堂

戯連堂の感想・評価

5.0
〇チガイのかどで、仇討ちされるつおい錦之助に、万全過ぎる無数の助太刀軍団投入!これは大した見世物と見物客が押すな押すなの大盛況。ついでに仇討ちグッズで儲けよう…所場代よこせ!背中からの卑怯打ちと、武士道のぶの字も微塵にも感じられない不条理ばなし。速くその場から立ち去ればよいものを…。不幸な物語はコントにさも似たり。
藩上層部の意向、先祖以来の家系存続、武士の面目などのしがらみに翻弄される武家社会の不条理さを
モノクロで重厚にリアリティのある残酷描写で、とこの頃流行っていた時代劇映画ですね

見所はタイトルにもある仇討模様、クライマックスに向けての構成もいいし、何より古式に則った正式な作法による盛大な仇討イベントってのがなかなか興味深い
儀式での膳において、討人は人斬れだから一切れ、仇人は身斬れの三切れとかなかなか洒落た噂話みたいなのもうまいなーと

でもつまりいざ尋常に勝負なんていっても、この衆人環視の中で行われる仇討模様において仇人は討たれるべきの前提があるものなのね
素直に討たれる覚悟を決めればよし、あらずんば助太刀大量投入で無理やりにでも事をなす、見事でした

中村錦之助演じる主人公は挑まれたから戦い、その結果相手は死んだ、その弟もまた同じく
武士らしく何のやましいこともなく正々堂々とやった、仇討試合においても散々悩み考え討たれる覚悟を決めて臨んだが、助太刀の乱入で、、、
やっぱり中村錦之助うまいなーと思った、例えば丹波哲郎なんかいつも丹波哲郎だけど、中村錦之助は過剰気味なとこもあるけど作品によって全然違ったり、細かいところもしっかり魅せる、うん本物だと思います

三島雅夫や進藤英太郎、田村高廣も印象的で東映時代劇末期の傑作にあたると思います
この映画は明確な悪人がいないから怖ろしい。
錦之介としては正々堂々と追手を返り討ちにしているだけだが、武家社会からは狂った異端児として排斥され、一般社会からは連続殺人鬼として石を投げられる。
心身ともにひたすら追い詰められていく錦之介の姿は観ているだけで苦しい。
錦之介の決死の選択すら軽々しく見世物にしてしまう権力者達の、無神経で、それでいて容赦の無い集団暴力に絶望。
天下無双のイメージが強い錦之介だから意味がある。
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