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ティファニーで朝食をのtkykのネタバレレビュー・内容・結末

ティファニーで朝食を(1961年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

見てきましたよ午前10時の映画祭。

かの有名な、ティファニー前でクロワッサンとコーヒーするシーンって、めちゃくちゃ冒頭なんだね。本編と全然関係ないな!と思って調べたら、映画のタイトルを踏まえて後から差し込まれたシーンなのね。一種のプロモーション的な感じかな?だとしたら大成功だね。


見てて気になったのが、アメリカ人ってあんなに会話の主題飛躍すんの?こいつら今何について喋ってんだか分かんねー!ってところがたびたびあったこと。特に前半。
ただ、細かい会話の応酬には全然繋がりがないくせに、ストーリー全体としては上手く後半からラストに繋がって、なるほどね〜と思って終われた。


オードリーヘップバーンは、プライドが高いのに自己肯定感が低いんだよな。
田舎の街からニューヨークに逃げてきて男を取っ替え引っ替えする割に、ハリウッドデビューの話からは逃げる。パパ活で得た金でお洒落なアパートに住んで、虎視眈々と玉の輿を狙う日々。「楽して生きていきたい」ってよりは、なんとか玉の輿に乗ることで、自分というものが無くても人生を成立させたい、みたいな感じかな。


そんな最中、同じアパートに引っ越してきた作家崩れの貧乏男子とお近付きになって最終的に結ばれるわけなんだけれども、そんなに魅力的かねこの男?
最愛の兄・フレッドに雰囲気が似てるってところ以外に惚れポイントあったか?映画終わってからずっとあいつの良いところ思い出そうとしてんだけど、全然思い出せない……。

引っ越してきた初日から何となく話が弾んで、お酒飲んで、その流れで添い寝したから情湧いちゃった感じ?そんな大学1年生みたいな惚れ方あります?
そんでこの添い寝のシーンでオードリーヘップバーンが寝言言うんだけど、そこのコント臭が凄すぎてちょっとおもろい。そんな寝言ある!?wってなる。


最終的に玉の輿の夢は破れて、やっと自分の気持ちに正直に生きるヘップバーン、金持ちではないけど、自分を心から愛してくれる作家男子と結ばれる!ってはよくできた自立ストーリーに見せつつ、結局「自分の事を好きになってくれた人が好き」って話では?最後まで自分ってものが無いよね。そのくらい、作家男子を好きになる理由が思い浮かばないんだが。
中盤の迷惑系YouTuberカップルみたいなノリも現代人からしたらちょっとね……。


てか、映画序盤から度々、今は軍隊に行ってしまった最愛のお兄ちゃんの話するくせに、お兄ちゃんが不慮の事故で亡くなった後の描写サッパリしすぎてない?
悲しみに半狂乱になったヘップバーンのシーンから暗転して、次みんな長袖着ててびっくりしたよ!唐突に数ヶ月過ぎとる!

数ヶ月後のヘップバーンは玉の輿に向けて頭の中お花畑モードだし。いやいやいやあの悲しみどうやって乗り越えた?
悲しみに暮れたヘップバーンを作家男子が支えていたなら話は分かりますよ?でもあいつお兄ちゃん死亡の直前に大喧嘩して、ほぼ口聞いてないし。
その数ヶ月が肝やろ絶対!!描いてくれよ……。描かないんならお兄ちゃん死ぬ必要無かったじゃん……。


とまぁ「ん?????」ってなるところも多いけど、見てよかった。オードリーヘップバーンが異常に可愛いし、何よりムーン・リバーがド名曲過ぎる。
あとネコチャンカワイイ。
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