シンタロー

雨のエトランゼのシンタローのレビュー・感想・評価

雨のエトランゼ(1970年製作の映画)
3.0
婚約中のナタリーは、向かいのアパートから飛び降り自殺する女性を目撃してしまう。目撃者として警察を訪れたナタリーは、被害者の夫で美しい青年アランとすれ違う。ナタリーに興味を持ったアランはスカーフを拾ったふりをして接触。デートを重ねるうちにアランのミステリアスな魅力に惹かれていったナタリーは、婚約者と別れ、2人は結婚する。だが幸せな新婚生活も束の間、アランの異様な言動の数々に、身も心も衰弱したナタリーは…。
主演のヘルムート・バーガー、ヴィルナ・リージは大変美しく、ウォレス・コレクションのサントラにのせて、戯れる2人はPVを観ているかのように画になります。ファッションも魅力的で、どちらかでもお好きなら十分楽しめるのかもしれませんが、正直作品としてはどうなんでしょうかね。特に前半は演出も野暮ったくて、結構しんどい。アランの異常性が露呈してくるヴェネチアの新婚旅行辺りから楽しめましたが、これってヘルムート・バーガーありきの映画なのでは、って感じが終始拭えませんでした。
アラン役にヴィスコンティの寵児として知られるヘルムート・バーガー。出世作「地獄に堕ちた勇者ども」の翌年の作品で、美貌も頂点の時期です。狂気、倒錯、恍惚、破滅といった暗いワードを体現したような役者で、故にタイプキャストが常につきまとった方ですが、陰のある妖しい美しさは、他の追随を許さないものがありました。ナタリー役にイタリアの名花ヴィルナ・リージ。ミシェル・ファイファーに似た雰囲気の美女で、ハリウッドにも進出しましたが、作品に恵まれなかった感があり、同世代のイタリア女優ソフィア・ローレン、クラウディア・カルディナーレほど、一般的に知名度を得られなかったのは残念です。バーガーより8歳歳上で、撮影時すでに34歳でしたが、妖艶な美貌とハスキーボイスは十分魅力的。ヌードはありませんが、その分バーガーが脱ぎまくってくれています。
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