第二次世界大戦中の1943年。米海軍はフィラデルフィア水域で、水上戦闘艦を敵に探知されないようにするための極秘実験が行われていた。この実験に参加したデヴィッドとジムは、装置を作動させると同時に姿を消した。気がつくと2人は1984年のネバダ州にタイムスリップしていた。そこでトラブルに巻き込まれた2人は、偶然居合わせたアリソンを人質にして逃げ出すのだが…。
80年代の映画はレベルが下がったと、祖父と母はよく言っていたなぁ、と懐かしく思うのですが、映画の完成度はさておき、思い出深い作品がいろいろありました。そんな青春真っ只中な頃の一作です。一方、現代のCG満載のSF映画を観て育った現代人には安っぽく映るんだろうなぁ、と淋しく思っていたら、先日大学時代の友人と本作の話で盛り上がったのでついつい。B級映画丸出しだけど、悪くないんですよ。製作総指揮にはジョン・カーペンター。当初監督を務める予定が同時期のジェフ・ブリッジス主演「スターマン」を選択。どっちもどっちでしたね。BTTFの前年で、密かに時代にマッチしていたタイムスリップSFの愛すべき作品です。
主演はマイケル・パレ。日本で大ウケした「ストリート・オブ・ファイヤー」のトム・コーディ役で一躍時の人になりました。顔もスタイルも抜群にイケてると思うのですが、お芝居はとても残念。当時ブラッドパックと言われた青春スターの中では、ロブ・ロウと肩を並べる大根役者だったと思います。ヒロインのアリソン役にはナンシー・アレン。タレ目のキャンディーボイスで若く見えましたが、実はマイケル・パレより8歳年上で当時34歳。ブライアン・デ・パルマ監督夫人でしたが、本作でマイケル・パレと恋仲になり離婚。2人揃って一線から干されるという憂き目にあいました。私的には大好きな女優で「ミッドナイトクロス」の彼女は本当に素晴らしかったと思うのですが、それもデ・パルマによる愛情故だったのか…正直本作の彼女は普通です。しかし、単なるB級SF映画にさせていないのは、2人のラブストーリー要素。美男美女にはちがいなく眼福なので、作品の出来はともかく楽しく再鑑賞しています。
