ミラーズ

泣かせるぜのミラーズのレビュー・感想・評価

泣かせるぜ(1965年製作の映画)
5.0
「渡哲也兄さんのマドロス三部作の一つ?」


渡哲也俳優生活55周年記念特集にて鑑賞。

裕次郎主演だか、哲兄さんのマドロス三部作の2作目と勝手に位置付け。

不良船乗りを束ねる元エリート船長の裕次郎と堅物航海士の哲兄さんが、出会い、ケンカして、反目して船舶保険詐欺事件を解決して強い絆に結ばれて、裕次郎一家に入る。

哲兄さんのその後を予見するような映画。
ここでも堅物の若手役で、裕次郎と並ぶと未だ弱い感じはする。

日活感満載で、これも若干やり尽くされた内容で、脚本やドラマ運びにキレを感じないが、日活の大スター裕次郎の作品なので、主題歌も歌い、結構予算をかけて撮っているので、カラー撮影だしカメラワークも凝っていて手間がかかってます。

静岡県清水市のロケーションもタイアップなのか?清水の街の夏祭りの場面が結構多くて若干クドイ。

裕次郎の顔も我々の世代知っているふっくら系に移行中だか、身体はとてもスマートで細身の哲兄さんと並んでも遜色ない。当然動きにキレもある。

ヒロインはお馴染みの浅丘ルリ子で美しい。

個人的には、給食屋で登場する太田雅子名義時代の梶芽衣子さんが、ふっくらかわいい。
この後の「野良猫ロック・セックスハンター」や「女囚さそり」シリーズのシャープでクールでカッコいい雰囲気は当然ないが、日活の青春スター時代の作品も観たい。

大坂志郎と名古屋章の敵役が珍しくて意外。
まあ二人ともに、あまり強い感じがないので、呆気ないが。

事故で片腕になってしまう川地民夫とベテラン船員の花沢徳江も好演。

最後は、港の倉庫(またか!)で組織相手に集団戦の大立ち回りで、哲兄さんと不良船乗り達が、ピンチのところに、船の沈没時に行方不明だった裕次郎がトラックで、扉をぶち破って加勢。勝利の安心感。

監督の松尾昭典は、演出をそつなくこなしているが、若干決定打に欠けるイメージ。

映画自体は、手慣れた感もあり楽しめます。