月うさぎ

鍵泥棒のメソッドの月うさぎのレビュー・感想・評価

鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)
4.8
とっても好みのタイプのコメディです。
オーバーで笑えて、でもギリギリおふざけから踏みとどまっていて、心にぐっとくる映画。
脚本も細かい点まで作りこんでいて、伏線の張り方活かし方が自然。脚本にセンスがあってとても面白いです。
セリフの一言一言が笑えます。
「だいじょうぶかな~と思って…」「ぎりぎりアリです」
「お前俺のクッキーみんな食べちゃったのか!」
台詞が立っているというのでしょうか。
人物像を際立たせているし、それをしゃべる役者さんのニュアンスも絶妙です!
音楽の使い方もちゃんと突っ込めるように選曲していますよ。結婚の話題の時には「フィガロの結婚」という具合。

そしてやはり何よりもキャストがいいですね~。
半沢直樹とリーガル・ハイを両方観ている方には、落差が際立ち、たまらなく面白いでしょう。
3人の演技の幅が堪能できます。

堺雅人主演ですが、香川照之のほうが目立ちます。彼の演技には大笑いできます。
(堺雅人の情けない男が上手すぎるってことでもありますが。)
そして広末涼子を初めてカワイイと思った映画でもあります。彼女は無機質な演技をさせると、逆にとても可愛くなるんですね~。ホントにコメディ似合いますね。

スリルあり、どんでん返しあり、ロマンスあり、人情あり。
同じストーリーで別の人が演出したら、全然違う映画になりそうです。この映画にこのキャスト。なのではないかと、私は思います。

記憶喪失になるという設定で、記憶を失っている間の彼のたよりなさげな表情と一生懸命な姿勢って言ったら…
もうたまりませんよ~。
ネタバレていようとも、何度観ても笑える映画だと思います。
月うさぎ

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