てるる

バチ当たり修道院の最期のてるるのレビュー・感想・評価

バチ当たり修道院の最期(1983年製作の映画)
3.5
ペドロ・アルモドバル監督の初期作品。

だいぶ荒削りだけど、人間の悲哀をコメディぽく描く作風は変わらず。

経営難で潰れかけの修道院に、恋人をヤクで死なせて逃げてきた歌手のヨランダが逃げてくる。
そこにいたのは元ワケありの尼さん達だった。

シスター達のネーミングセンス!
「マッドストーン」のキャラ達の名前も笑えたけど、まさにそれ。

シスターどぶ鼠
シスター肥溜め
シスター堕落
シスター毒蛇

一応悪いものを理解することも大切とかいう意味はあるけど、これ普通に悪口だからw

アルモドバル監督自身がゲイということもあり、必ず入れてくるLGBTQ要素。
修道院てことで勿論レズビアン。

普通にヤク中だったり、官能小説好きだったり、運び屋やったり…思ったよりバチ当たり。

でも神父による性犯罪が次々と明らかになった今、このシスター達が可愛く見えてきちゃう。
でもこの映画が作られた当時だったら、とんでもないキャラ付けだったんじゃ?

尼長の最後の慟哭が切ない。
分かる、分かるよ。
あれだけ世話したのに、あっけなく終わってしまうの悲しいよね(꒦ິ⌑꒦ີ)

でもアルモドバル監督が描く女性は、現実に打ちのめされながらも、強く逞しい。
だから尼長さんはこれからもしぶとく生きていくのだろう。

尼長さん、愛してくれるシスター堕落と幸せになって欲しいわ。
ヤクだけはやめてね!
てるる

てるる