2006年アカデミー賞作品賞受賞作品。
非常に骨太な社会派映画。アメリカの人種差別を扱った話です。ただ今までの暴力に満ち溢れたこの系統の映画とは明らかに違います。暗く且つスタイリッシュに見せることで、本質の問いをまるで視聴者に投げかけてるようにも思いました。
この作品は一日の様々な人の目線を上手いことクロスをさせながら 人種差別 をテーマに描いたものです。したがって主人公という設定はありません。
もちろん目立つキャラはいまして、黒人犯罪者二人や、警官二人など。
会話にはこれでもかというくらいに差別を匂わす言葉、表現が入ってきます。
ここでは主に白人と黒人の二項的なものになってますが、随所にアラブ人やペルシャ人、中国人などの人種でいうとモンゴロイドに区分される人たちもでてきます。
このクラッシュというタイトルはそのまま「衝突」という意味で、まさしく人と人とのぶつかり合いを示してます。
それは最初の車の事故から象徴されてます。鳥肌がたったのは、最後のシーンです。ここでも最後車がぶつかるのですが、その車の色に注目してください。これにより、現代のアメリカの実態を十二分に知らしめてくれたと僕は思いました。
もう一つ面白いのが人種差別を肯定する警官と、それを否定するいわゆるリベラルな警官二人の対比です。前者は、激しく差別をしますが、職務は全うします。それを強調するのが、パッケージにもなってる事件です。それに対し、差別はいけないものだと恐らく教育を受けていた新人警官は、誤ったことを作中で二度してしまいます。
必ずしも非人種差別主義であれば正しいことができるとは限らない、、曲がった方にもいくかもしれない。。そこのところのアイロニカルな描写が凄まじく秀逸だと感じました。。
非常に地味ですが、アカデミー賞らしい骨太な映画だと思いました。
あと、曲が素晴らしかったですね( ^ω^ )ダウンロードしたいかも、、(笑)