ひでG

慕情のひでGのレビュー・感想・評価

慕情(1955年製作の映画)
3.4
超有名なテーマ曲。観たのは年末なんだけど、この正月休みに、気がつくと口づけさんでいた。
映画音楽界の名曲中のの名曲!

いい曲はその中にドラマがあり、彩がある。

で、、映画は、いたってシンプルな王道ラブストーリーだと言っていいだろう。

第二次大戦後の香港が舞台。
ジェニファー・ジョーンズはイギリスと中国のハーフの女医さん。

そこにアメリカ人ジャーナリストのウィリアム・ホールデンの恋を描いた作品。

ハリウッドを代表する美男美女スター、
美しい主題歌がこれでもか!とばかりに多くのシーンに使われる。

二人が愛を語り合う小高い丘も、悲しいラストも全て恋愛映画テイストを十二分に醸し出す。

ただ、僕はちょい、引っかかるところがあった。→ちなみにこの作品も小さい頃に見て以来の再見でした。


このお話、原作はこの女医さんが書いたもの。
この女医さん、ハンスーインさんの自伝だそうで、当時の彼女の微妙な立場も映画ではかなり出てくる。

つまり、欧州の友人たちからは、
「中国に占領された地獄よ。香港は大丈夫かしら?」と母国を恐れられ、

片や中国の親類や先輩医師からは、
「早く中国に帰りなさい。」「西洋人と結婚は認めない」と攻撃される。

ハーフというどちらにも所属できない不安感、不安定さ。

一方、ウイリアム・ホールデンは、別居中の妻がいる。彼女と正式に結婚するためには、離婚を求めに行くが、失敗する。
こちらも実に不安定な状態だ。

劇中の二人は、愛を急いているようにも見える。
まあ描き方がオーソドックスなので、それほど裏テーマが伝わってはこないけど、

愛は不安定な状態のとき、より深まるのよ、
っていうことも言ってるような、

時代のうねりが二人を出逢わせ、また別れさす。

あー、愛することは強さなり!
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