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容疑者Xの献身のkのネタバレレビュー・内容・結末

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

オススメされて観た作品。
かなり序盤で事件の全容が掴めるから、犯人側の逃走劇がメインなのかと思ってたけど、まさかそう展開するとは……。
愛ゆえの犯行が好物だから、すすめてもらえてよかった。

石神のことを思うと切なさで押しつぶされそうになる。
天才ゆえに孤独で、命すら絶とうとしていた日常に訪れたささやかな楽しみ。
生徒が誰一人授業を聞いていなくても、毎日お弁当を買いに行ったり、鉢植えの中の倒れたガーデンピックを起こしたり、隣人の微笑ましいやりとりが聞こえるだけで生きていける。
隣人の2人がただそこに生きているだけでよかった。
彼女たちのためならば、極悪人にだってなる。
どんな思いで、表情で、偽造のために盗聴器を仕掛けたり、脅迫文を書いたりしたのだろう。
湯川から渡された問題に取り組む嬉しそうな後ろ姿を見て、起こってしまったことをどうにか隠蔽出来ないだろうか……とも思ってしまった。

論理的な石神が感情をあらわにするシーンもよかった。
どうして……!じゃあないんだよ!
愛情深い石神が素敵だなと思った人だから、そりゃあ罪悪感にかられるよ。
花岡はラッキー!罪身代わりしてもらお!なんて罪を逃れるような人じゃないよ。
花岡が罪を償うと言ったことで石神のしたことが無意味になってしまうけど、私はなんかそこで救われた気がしたよ。

余談だけど、福山雅治が「実に面白い」とか言ってるのを聞いて、あ!これがザコシの元ネタか!!と恐らくあまりない感動をした。
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