だーすけ

アンブレイカブルのだーすけのネタバレレビュー・内容・結末

アンブレイカブル(2000年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

90年代の街並みとかファッションだなーと思ってたら2000年公開か。
24年間も観ないで来てしまった。
まあ、それは多分一時期M・ナイト・シャマランのことが嫌いだったからなんだけど、なんで嫌ってたかも忘れちゃったし、もっと早く観ておいても良かったかなー。

まず撮影が非常に素晴らしい。
独特のカメラワーク。

冒頭の電車内の会話シーンでは座席の隙間から覗き見する子供視点で長回し、コミックの表紙が出てくるシーンでの回転、多用される上下反転された画面。
ミスターガラスが映るシーンはやけに鏡越しかテレビやガラスに反射してる姿が多く、主人公が初めてヒーローとして活躍するシーンでの敵地でのカーテン越しのカットなど、あえてはっきりと役者を映さないシーンが印象的。

会話のシーン含め長回しが多く、時間の取り方がじっくりしていて良き。70年代の映画のような。

ミスターガラスの偏執っぷりがいいねー。彼からすれば自分が生まれながらに重い病気を抱えて苦しんできた意味を見出せるかもしれない対象かもしれない、つまり救世主候補なんだから、そりゃそうなるかもね。
あと、車の内装が柔らかくしてあって笑ってしまった。

主人公と息子の親子関係、微笑ましくて最高にいいな!ただでさえパパっ子の息子君が、父親がスーパーパワーの持ち主かもしれないと気付くあたり、若干引きながらもパパから目が離せなくなっていて素敵。
父をヒーローだと信じ、それを証明したくて父に銃を向けるシーンの突拍子もなさは笑ってしまった。「じゃあ一髪だけ」って笑
そして遂に父がヒーローである自分を自覚して活躍し、その新聞記事を見せて静かにつぶやく「You were right.」。泣いちゃうよね。

しかし、そもそも主人公はなぜこんなにも悲しそうなのか。
なぜ妻とも息子とも距離を置こうと冷たくしてるのか。
アンブレイカブルとしての能力に自分で気づく前からそうなんだよね。イライジャの言う通り「本当に自分がすべきことをしていない」からなのか?

そして、彼はなぜ突然自分の能力を使ってヒーロー活動をしようと思ったのか?その心変わりのきっかけが曖昧。
過去に自分が起こした自動車事故のことを鮮明に思い出したから?イマイチ動機として弱くない?

などなど、ツッコミたくなる所もあるにはあるけど、全体的には面白い映画でした。