M・ナイト・シャマラン監督によるサスペンス映画・・・
ってことに一応しておこう。
これが途中から斜め上のジャンルに突っ込んでいくからだ。
(※途中からネタバレしますのでご注意を)
この映画はシャマランにとって「シックスセンス」の次の監督作にあたる。そのため公開当時はめっちゃ注目されていた。でも、アレを期待して劇場に足を運んだ人はタヌキに化かされた気分で帰ったんじゃないかな~と想像する。
アレ同様にラストに思わぬオチが入っているけど、それよりこれって実は〇〇映画やったんや!?と途中で気付き驚くからだ。
だいぶ前の映画だけど、ネタバレ不要って方はここで読むのを止めて頂ければと。
列車内、隣の席のオネーチャンをナンパしているブルース・ウィリス。
いたいけな子供目線で何を見せてんねんって思うが、次の瞬間に大列車事故が起こる。そしてなぜか彼だけが無傷で生き残る。
最初観たとき、コレはまたシックスセンスみたいなオカルトの話か~と思っていた。
対照的なイライジャって男が出て来る。この人は難病を抱えていて、ちょっとした事ですぐ骨折してしまう。こっちはブレイカブル。
それを演じているのはサミュエル・L・ジャクソン!
キングコングに殴られても平気そうな男がこんな役なんて、ちょっと笑ってしまうが。なかなかの好演です。
この人はコミック収集家でアメコミ関連のお仕事をしている。
公開が2000年という事を考えても、出てくるコミックの絵がやけに古臭いのが気になったが。
そういえばアメコミファンなら特典映像の方がヨダレもんです。
なんとウィル・アイズナーやフランク・ミラー、アレックス・ロスらのインタビューが入っている!!
彼らの映像、日本ではなかなかお目にかかれないだけに、ココだけでも☆5じゃ足りないくらい!ファンならばハッキリいって本編よか興奮します。
最初観たとき、冒頭からコミックの話が出て来て変やな?と思ってた。
次第にブルース演じるオヤジの能力の秘密が明らかになっていく。
そう、この人はアメコミじみた超能力を持ってたんですねぇ~。
なんと、これって実はスーパーヒーロー誕生譚だった。
このアンブレイカブルマン(?)無敵のようだがちゃんと弱点もある。この人、実は悪魔の実でも食ってたのか?
カメラワークにも凝っていて、それ自体が感情も表現しているかのよう。
あまりに決まり過ぎてて、ちょっと鼻につくけどね。
色使いも趣向が凝らしてあり、途中から原色が配置されコミックのような色使いのシーンもある。特に主人公が超感覚を駆使している絵は、まるでシン・シティばりだ。
好みの分かれるシャマラン作品だけに、これもかなりバランスがイっちゃってます。イライジャも逆境に負けずに頑張ってて、彼もヒーローなんだぜ?ってオチが来ると思ってたらアレやし。
僕は結構好きな映画だけど、これを最初っからヒーロー映画と分かって観たならどうだろうな?・・とは思う。