ディレクターズカット版は初めて観ました。
熱量が圧倒的です。
まず、音楽はもちろんモーツァルトなのでこれだけで作品の全てが語られます。
それを引き出した巧みな脚本。
宮廷作曲家サリエリのモーツァルトへの嫉妬と羨望、隠しきれない憧れと魂の叫び。
その才能に打ちのめされつつも、モーツァルトのオペラを観に行かずにはいられない衝動。
美術や衣装は言うまでもなく、これがいつどこで撮られたのかを感じさせない完成度。豪奢で華美、特にオペラの舞台はどれも最高!
プラハでの撮影は、秘密警察の監視下において、ホテルの部屋でも盗聴が当たり前の共産圏時代。
それに耐える価値があるほど、18世紀の街並みが残っていたという幸運。
モーツァルトとサリエリにはあえて有名な役者を選ばなかった監督のセンス。
終盤の二人の熱演は、まさに『レクイエム』の説得力でした。
モーツァルトの笑い方、何回見ても笑っちゃう。