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ミスティック・リバーのsukekoooのレビュー・感想・評価

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)
4.0
ジミー、ショーン、デイヴの3人の少年が、子ども時代のトラウマを抱え、隠しつつ、それぞれ大人になる。ジミーの娘・ケイティが殺害され、それは単純な理由なのだが、疑惑に疑惑を重ね、閉鎖的な街の中で事件は思わぬ方向に歪曲したまま終焉を迎える。観賞後は本当に重苦しい気持ちとなり溜息しか出なかったが、ジミーの背中に入れ墨として彫られていた十字架を私たちにも背負わせているとしか思えない監督の所業には流石としか言いようがない。
パレードのシーン、デイヴの妻・セレステが、ジミーの妻・アナベスに対して不安と憎しみの目で見つめるのに対し、「自業自得だ」とでも言わんばかりに強く見つめ返す。反してパレードは滞ることなく進み、街を渦巻く負の感情だけを置いていく。138分、無駄なく必要な感情を見せてくれる本作品に、ただひっそりと感動している。
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