いの

トラスト・ミーのいののレビュー・感想・評価

トラスト・ミー(1990年製作の映画)
4.0
正直に言う。序盤はなんというクソ娘かと思ったし全然可愛くないし浅慮な少女だとも思った。だけど、いったいどこからだろう。なんかどこかから急にスイッチが入ってしまって切なくなってしまってヒトゴトじゃなくなって肩入れしてしまった。なんて可愛い子だろう。たった十何分か何十分かの間にどうして自分の気持ちが急変したのかアタシは自分でもわからない。マリアとマシュー。出会った二人。出会ったから変わったのかな。マシューがマリアに惹かれるから、マリアは特別な存在になっていくのかも(誰からも大事にされていなかった時のマリアは、誰からも大事にされなくても仕方のない少女のようにみえた)。マリアはマリアというその名が示すような存在になってくる。彼女が確信を持って口にする言葉は天啓のようでもある。マシューの父親による暴力。マリアの母親による暴君的支配。手榴弾は生きていくためのお守りだったのかもしれない。この映画のテーマ曲というのかしら、しんどい場面でも心優しいふんわりとしたメロディが流れるから、あの祝福のメロディが奏でられると、あぁ大丈夫だって思える。




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高校生の時に、「信じるということは信じた自分に責任を持つこと。だから信じた相手に〝裏切られた〟なんて言葉はあり得ない。ちゃんと信じることのできる自分でありたいし、信じた自分に責任を持ちたい」と、アタシは自分でそのことを大発見したつもりになって大コーフンした。あのとき、世界の真理を大発見したと思い込んだ自分は、勝手に妄想して勝手によろこぶ今の自分に繋がっていると言えなくもないのかもしれない




※スコアは暫定的(ハル・ハートリーできるだけ観た後で変更するかしれません)
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