らんらん

花つみ日記のらんらんのレビュー・感想・評価

花つみ日記(1939年製作の映画)
4.0
【あらすじ】
物語の舞台は大阪、主演の高峰秀子は置屋(舞妓、芸妓さんたちを育成、提供するお仕事)の娘であるが、ごく普通の学生生活を送っていました
デコちゃんが通学する女学校に東京からの転校生ミツルさんがやってくるところから物語は始まります
デコちゃんとミツルさんは親友となり、いつまでもこんな時間が続けば、ずっと一緒にいたいというくらい親密になり
憧れの女教師梶山先生(葦原邦子)の誕生日を2人で祝おうとプレゼントを渡そうとするのですが
デコちゃんだけ先に先生に会っていて、先にミツルさんの知らないプレゼントを送っていたことがわかり
後から来たミツルさんからすると抜け駆けしやがって!そんな高価な贈り物されたんじゃ今から渡す手作りのプレゼントなんてみすぼらしいわ!ってカンカン、2人は絶交してしまいます
あんなに仲良しだったのに寂しくなってしまう2人、仲直りをしたいんですがそのきっかけもなく
デコちゃんは家業である芸妓さんになるため学校も辞めてしまいます
はたして2人は仲直りできるのでしょうか、、、?
【感想】
たぶんデコちゃんたちは今で言う中学生くらいかな?それをいきなり退学して舞妓さんになるってのも時代を感じますよね
普通の子達から見たらデコちゃんは同級生なのに大人の知り合い(芸妓さんたち)もいっぱいいて近付き難い感じ
いきなり少女から大人になったみたいな置いていかれた感
舞妓さんと普通の女学生だもんね、世界が違うしとんでもなく遠くに行ってしまったみたい
そんな2人だけどやっぱりお互いのことが気にかかってるんですよね
その辺の葛藤、もどかしさの表現が良かったと思う

ちょっとした喧嘩に過ぎないんだけど、さっさと仲直りしちゃえばいいことなんだけど、なかなかそれが出来ない歯痒さ、意地を張って素直になれない自分

あとは憧れの女教師梶原先生を演じた葦原邦子のかっこよさも印象的
調べてみたら元宝ジェンヌで伝説の春日野八千代の同期生なんだって
あの姉御肌で強気な性格と大阪弁がハマっていてめちゃくちゃかっこいい!
劇中幾度も歌を歌うシーンがあるんだけど、それも素晴らしかった
先生がいつも歌っていて、その先生に女学生たちは憧れているからみんな何かと歌ってるの
「海賊は歌うんだ」みたいな感じであたりまえに「女学生は歌うんだ」な映画でもありました
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