ホリ

夏の庭 The Friendsのホリのレビュー・感想・評価

夏の庭 The Friends(1994年製作の映画)
4.5
子供の規則に捉われない行動、
それを追う自由なカメラワークが特徴的。
電車内、ルールを守らず、
椅子に座っているのではなく、
窓の縁に座り込んでいる子供達。
また、橋の縁に登り、
下が交差点にも関わらず、
危険な行動を取る子供達。
子供らしい、突発的な行動が度々描かれていき、その際の台詞のやり取りも印象深いものが多い。

電車内のシーンでは、
「(死んだお爺ちゃん)
2時間やって、焼かれる時間」

そして、
橋の縁に登っているシーンでは、
「死んだら、どんな感じなんやろう。
でも、俺が死んだら、伝えられないもんな」
など、死を象徴する台詞のやり取りが、
子供達の間で何度も繰り返されていく。

危険の行動を抑制しようと、
そこから、他の子供が
「じゃあ、近くにあるお爺ちゃんの家を
見に行ってみよう(監視してみよう)」
という提案に繋がっていく。
全く接点の無かった、
近所のお爺ちゃんの生活を覗き見る子供達。
家の庭は雑草が大量に生えており、
家内も整理整頓されていない雰囲気で、
まるでホームレスのようなお爺ちゃんの生活を見せられていく。

この汚い家の空間も、
俯瞰で引きの映像が見せられていき、
子供達の感情の変化と、
家の変化(綺麗になっていく様子)が、
終盤になるにつれてシンクロしていき、
観客もその変化の様子をしっかりと見ることが出来る。

襖に穴を開ける快感も良い…
ホリ

ホリ