子供の規則に捉われない行動、
それを追う自由なカメラワークが特徴的。
電車内、ルールを守らず、
椅子に座っているのではなく、
窓の縁に座り込んでいる子供達。
また、橋の縁に登り、
下が交差点にも関わらず、
危険な行動を取る子供達。
子供らしい、突発的な行動が度々描かれていき、その際の台詞のやり取りも印象深いものが多い。
電車内のシーンでは、
「(死んだお爺ちゃん)
2時間やって、焼かれる時間」
そして、
橋の縁に登っているシーンでは、
「死んだら、どんな感じなんやろう。
でも、俺が死んだら、伝えられないもんな」
など、死を象徴する台詞のやり取りが、
子供達の間で何度も繰り返されていく。
危険の行動を抑制しようと、
そこから、他の子供が
「じゃあ、近くにあるお爺ちゃんの家を
見に行ってみよう(監視してみよう)」
という提案に繋がっていく。
全く接点の無かった、
近所のお爺ちゃんの生活を覗き見る子供達。
家の庭は雑草が大量に生えており、
家内も整理整頓されていない雰囲気で、
まるでホームレスのようなお爺ちゃんの生活を見せられていく。
この汚い家の空間も、
俯瞰で引きの映像が見せられていき、
子供達の感情の変化と、
家の変化(綺麗になっていく様子)が、
終盤になるにつれてシンクロしていき、
観客もその変化の様子をしっかりと見ることが出来る。
襖に穴を開ける快感も良い…