ノッチ

誕生日はもう来ないのノッチのレビュー・感想・評価

誕生日はもう来ない(1981年製作の映画)
3.5
バージニアは、名門私立高校の優等生グループ「トップ・テン」の一人。

4年前の事故によって前後の記憶を失い、時々恐ろしい幻覚症状を起こすようになっていた。

そんなある日、グループのメンバーが次々に失踪する事件が起きる。

そしてついに彼女が18回目の誕生日を迎えた日、衝撃の事実と惨劇が起こるのだった・・・。

『プロムナイト』『血のバレンタイン』同様、80年代スラッシャー映画ブームの中で大量生産されたカナダ製記念日ホラー。 

『大草原の小さな家』のメリッサ・スー・アンダーソンが主演したということで、公開に至ったB級ホラーです。

『大草原の小さな家』を観ていない私には、何ひとつ惹かれるものがなかったが。

原題は『Happy Birthday To Me』。

邦題は『誕生日はもう来ない』。

・・・何とも不吉な邦題。
 
これはもう、完ペキに邦題の勝ち! 

当時この手の記念日ホラーは、カーペンターの『ハロウィン』の大ヒットで鬼の様に大量生産されてました。

そのほとんどが、スラッシャーみたいでしたなぁ・・。

60年代まで名匠、『猿の惑星』シリーズを手掛けて以降、迷匠に変わってしまったJ・リー・トンプソン監督だが、流石は元名匠。

1980年初頭に製作されたスラッシャー系の中でも、本作は荒唐無稽なストーリーで賛否両論を生んではいるが、先が読めそうで読めない雰囲気を醸し出している。

「トップ・テン」と言われるグループは、リア充のやりたい放題グループ(一応優等生らしいが)。

冒頭、この中の1人の女子(クソ生意気)が、バーに向かう途中で殺されるシーンから始まります。

シシカバブ串刺し惨殺、バーベル圧殺、腐乱死体に囲まれた誕生パーティなど珍シーンのオンパレード。

10人が9人、8人、7人、6人と無惨に殺されていくのに、全員が行方不明扱い。

殺人という特定がなされない。

だって死体が出てこないから。

そこがこの映画の鍵ですね。

まぁバカバカしいんだけど、やっぱり楽しいですね、こういう映画は。

スプラッター度は低いですが、犯人探しが楽しいです。

オチもどんでん返しがあって、こりゃスプラッター映画だけにカテゴライズ出来ませんね。

正直ラストには驚かされてしまった。

だが、『ソウ』ほど問題外のオチでもないので個人的にはまだまだ許容範囲。

しかしその無茶ぶりなラストで、世間のこの映画に対する評判はかなり辛辣なようです。

なんか、このラストに決めるまでに15種類くらい撮影して、一番良いものに決めたとのことですが、残り14個はどんなんだったか非常に興味がありますわ。 

しかし、キャラが立ってないので誰が死んだのか、誰がいなくなったのか、なんとなくしかわからないという欠点も・・・。

とはいえ、冗長な部分ももちろん多々ありますが、思ったよりは悪い映画では無いはず。
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