ぼの

メランコリアのぼののネタバレレビュー・内容・結末

メランコリア(2011年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

何が凄いって、もう余韻が凄い。
とんでもない

冒頭8分間に及ぶ静止画調の映像が不安を煽る。
8分にして絶対ぶつかるやつやんってなる。
監督はロマンティックって言ってたけど、ワーグナーがもう不気味。

パーティーの序盤から雲行きが怪しい。
ディアハンターみたいにパーティーシーンくらいは楽しいかと淡い期待を抱くも、母親やら上司の雰囲気から、あ…(察し)状態に。
お姉ちゃんもその旦那も主人公すらも眼光が鋭い鋭い。
行為を拒否られた新郎役の眼が怖いのなんのって。

で、婚約破棄。
スピーチがあんな感じやったんもそういうことか…ってなった。
霧のかかった道とか橋を渡りたがらない馬とか良くないことが起こることを暗示するかのように一章が終わる。

二章はシャルロットゲンズブールの演技に魅せられた。
メランコリアを見つめる無音のシーンであったり不安にどんどん押しつぶされていく様子とか全てが素晴らしかった。
雹が降ってくるとこの悲愴感。最高です。

「678粒よ」あたりから姉妹の立場が逆転。
面白い。
レオ役の男の子が馬を見つめるシーン。
子役ながら凄い。
魔法のシェルターで一気に辛くなる。

旦那が自殺した時点でミスト的なラストを想像したがそんなことはなかった。
惑星衝突。
ありがとうございました。

エンディングまでの無音クレジットも一興。

メイキングや美術関係の映像もかなり面白かった。
カメラを固定して撮影して後で適度に揺れを加えると画が引き立つといった撮影技法の説明も勉強になった。
科学に忠実なとこもいい。

裸のジャスティンが森でメランコリアを見つめるシーンやラストの衝突シーンは芸術的。

ラースいわく「最高にハッピーな結末だよ。だって最後には彼らが心をひとつにして運命を受け入れたんだからね」
なるほど…
ぼの

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