記録用
ラース・フォン・トリアー監督作品。
広告代理店で勤める主人公(キルスティン・ダストン)は同僚との結婚式を間近に控えている。
しかし結婚式が始まっても2時間遅刻するなど奇行を繰り返す。その後もめちゃくちゃになる結婚式。
時を同じく惑星メランコリアが衝突しようとしていた。
まずはちゃめちゃな結婚式が繰り広げられるが完全にコメディ。
しかし主人公が鬱症状があるようなことを示唆され始めるとその奇行にも胸が苦しくなる。
ミレイのオフィーリアのオマージュがある時点で生への執着が無くなっているのがわかる。この辺りのシーンはスローモーションで映像的にはスタイリッシュで鬱三部作から多用される演出となっている。
トリアーの鬱症状の治療の際セラピストから鬱症状があると先に悪いことが起こると予想し逆に冷静でいられるという言葉が製作に繋がったそう。
地球の滅亡はポジティブな状態であれば絶望でしかないがうつ状態からすると既に絶望なので今さら新たな絶望が迫ったとしてもむしろ気持ちを強く持て余裕すら産まれる。
その逆転の発想が前作アンチクライストもトリアーの中での視点を変えた「鬱からの救済」であったがまさに今作もラストの展開からして同じであろう。
今作からはコメディシーンも増えていたので一時の重い作風から少しは風通しが良くなったことで作品も「キングダム」のように本来のやりたいことへ近くなって印象を受けました。